鉄道橋
鉄道橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:14 UTC 版)
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もっぱら鉄道を渡すための橋梁を鉄道橋と呼ぶ。似た言葉に「鉄橋」があるが、鉄道橋を指す場合と、鉄でできた橋(鋼橋)を指す場合がある。最近の鉄道橋はプレストレスト・コンクリート橋が多いため、鉄道橋の意味で鉄橋はあまり用いられない。
鉄道橋に求められる性能
道路橋と対比して、鉄道橋には以下の性能が求められる。
- 高い断面性能(強度)
- 鉄道は道路交通に比べ、活荷重すなわち列車荷重が大きい。したがって、道路橋に比して、桁高を大きくしたり、部材厚を厚くする必要がある。
- 低い構造高
- 橋梁構造においては、橋梁下空間の確保が求められる。河川を渡る場合は計画高水位、道路や鉄道路線を渡る場合にはその建築限界を確保した上で、その上面に橋梁構造物を設けなければならない。一方で、鉄道は勾配の制限が厳しいため、急激な比高の変化には適していない。そこで、橋梁下面と線路の高さの差、すなわち構造高をできる限り低く抑える構造が望まれる。鉄道橋に下路形式が多いのは、構造高を低く抑えられるためである。
- 高い剛性
- 鉄道は路面の高さ狂いに対しての制限が厳しいため、列車荷重による「たわみ」量が厳しく制限されている。
なおかつては曲がった鉄道橋を作ることが困難だったため、鉄道橋は河川に対し直角・直線で作り、その前後の線路をカーブさせる建設方法がとられた。戦前など古い時代に作られた路線が、中規模以上の鉄道橋の前後で、不必要に大きなカーブを描いているのは、このためである。
鉄道橋の分類
用途別
鉄道橋はその用途により、呼び名が異なる。以下はJRなどで一般的に用いられている呼称である。
- 橋りょう B
- 河川や海を渡る橋である。「梁」は常用漢字ではないため、正式文書では「りょう」とひらがなで書かれる。略称のBはBridgeの略。
- 高架橋 Bl
- 何を渡るわけでもないが、鉄道を地平より高くしておく必要のあるときに用いられる橋。高架式の鉄道は大半が高架橋となる。
- 架道橋 Bv
- 鉄道が道路を渡る橋である。高架式の鉄道でよく見られるほか、地平を走る鉄道でも道路が線路の下を通っている場合は、架道橋と呼ばれる。逆に道路が鉄道を渡る橋は跨線橋(Bo)であるが、これは道路橋の範疇である。
- 線路橋 Bi
- 鉄道が鉄道を渡る橋である。路線が分岐する駅などで立体交差にした場合や別系統の鉄道が立体交差する場合に見られる。跨線線路橋とも称される[1]。
なお鉄道と自動車の両方を通す橋のことを鉄道道路併用橋と称する。
無道床と有道床
道路橋では主桁の上に床版(スラブ)を設け、路面を確保することが原則であるが、鉄道橋の場合は線路、すなわち2本のレールがあればよい。そこで、枕木を主桁に直結し、床版や道床(バラストや軌道スラブ等)を設けない橋梁があり、これを無道床橋梁と呼ぶ。無道床橋梁は、道床や床版がないことから軽量化することができるため、鈑桁(プレートガーダー)やトラスなどの鋼桁に多く用いられてきた。
一方、欠点としては、レールからの振動がまくら木を介して直接鋼桁に伝わるため、騒音や振動が大きいこと、道床により負荷が分散されることがないため、荷重が限られた部分に集中することが挙げられる。近年はこのようなことから、無道床橋梁の採用事例が少なくなっている。
国内最古の現役鉄道橋
- JR左沢線最上川橋梁(山形県寒河江市、東村山郡中山町):大正10年(1921年)竣工。明治時代の全錬鉄製ダブルワーレントラス橋[2]。もともとは明治20年(1887年)旧東海道本線の木曽川に掛けられたものを移築したものである[3]。なお、同じ橋梁が旧国鉄長井線(現山形鉄道フラワー長井線)にも大正12年(1923年)に移築されており、現役である。
関連項目
出典
鉄道橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 15:03 UTC 版)
真川橋梁 - 富山地方鉄道立山線。 千垣橋梁 - 富山地方鉄道立山線 1937年(昭和12年)。土木学会の選奨土木遺産。 上滝橋梁 – 富山地方鉄道上滝線 1976年(昭和51年)。下路ワーレントラス 339.8m。 常願寺川橋梁 – 北陸新幹線 常願寺川橋梁 – 富山地方鉄道本線 - 1931年(昭和6年)。鋼ガーター。昭和28〜31年および40〜43年度にかけて橋脚20基を改修。 常願寺川橋梁 – あいの風とやま鉄道(旧 北陸本線) 1966年(昭和41年)。PCT桁 348.6m。
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鉄道橋
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水路や道路などを跨ぐ鉄道橋のうち、径間(支柱間の長さ)が短いものを特に「開渠」と呼び、鉄道・軌道敷の下に幅の狭い水路等を通す工事を「開渠工」と呼ぶ場合がある。 また旧国鉄では、鉄道橋のうち径間が 1m 以上 5m 未満の橋梁を「溝渠(カルバート)」と呼び、1m 未満のものは橋梁扱いとせず「暗渠」または「開渠」と呼ばれていた。
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鉄道橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 01:32 UTC 版)
コンウィ鉄道橋(en)は筒状の橋で設計はロバート・スティーブンソン(en)が手がけ、チェスター・ホリヘッド鉄道(en)が走った。最初の筒型構造は1848年に架かり、まもなく第2号が1849年に完成する。現在も北ウェールズ海岸線(en)が利用し、旧市街にある駅(英語)に発着する。市内外をつなぐ近代的な橋は数基あり、自動車道55号線(A55)(英語)が川を横切る地下トンネルは、イギリスで最古のチューブ型川底トンネルで、工期は1986年から1991年まで費やした。峠越え(英語)をして Dwygyfylchi 方面と Penmaenmawr 方面に至る旧道は、コンウィ山の麓をめぐる。
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鉄道橋
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早川 (神奈川県)早川橋梁 (箱根登山鉄道鉄道線) - 神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤・大平台の箱根登山鉄道鉄道線 塔ノ沢駅 - 出山信号場間にある鉄道橋。 早川橋梁 - 神奈川県小田原市南板橋・早川の東海道本線 小田原駅 - 早川駅間にある鉄道橋。 早川橋梁 - 神奈川県小田原市南板橋・早川の東海道新幹線 小田原駅 - 熱海駅間にある鉄道橋。 早川 (糸魚川市)早川橋梁 - 新潟県糸魚川市梶屋敷のえちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 梶屋敷駅 - 浦本駅間にある鉄道橋。 早川橋梁 - 新潟県糸魚川市梶屋敷の北陸新幹線 上越妙高駅 - 糸魚川駅間にある鉄道橋。 早川 (山梨県)早川橋梁 (中央新幹線) - 山梨県南巨摩郡早川町の中央新幹線 山梨県駅 - 長野県駅間に建設中の鉄道橋。2014年度から着手予定。
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鉄道橋
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古川・金杉橋 芝浦・金杉橋梁(貨物線部分) 浜松町駅-田町駅間の東海道本線、東海道新幹線の橋に金杉橋の名が付けられている。三連橋脚間74.2mの間に山手線(内回り・外回り)、京浜東北線(北行・南行)、旧東海道貨物線と合わせて軌道が渡され、山手線・京浜東北線・東海道本線は桁橋(いわゆるガーター橋)だが、増設された新幹線部分は溝渠構造で底部に支柱を打設している。なお、東海道貨物線のレールは区間廃線に伴い撤去されている。 また、古川の金杉橋とは別に、港区芝浦で国道130号を渡る山手線・京浜東北線・東海道本線・東海道新幹線・東海道貨物線の鉄道橋にも「金杉橋梁」の名称が付けられている(地図)。現在は道路だが、架橋された当時は芝浦運河に注ぐ小河川であったため、現在でも架道橋扱いはされていない。
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