配偶者
配偶者とは、結婚によって法的に結ばれた夫婦の一方を指す言葉である。結婚は、社会的・法的な契約であり、配偶者間には様々な権利と義務が生じる。例えば、相続権や扶養義務、親権などがある。また、配偶者は、夫婦間の信頼関係や協力関係を築くことが期待される。
配偶者には、夫と妻の二つの立場が存在する。夫は、一般的に男性であり、妻は女性である。しかし、近年では、同性婚が法的に認められる国や地域も増えており、同性間での配偶者関係も存在する。また、国や文化によっては、一夫多妻制や一妻多夫制といった、複数の配偶者を持つことが認められている場合もある。
配偶者関係は、結婚によって成立し、離婚や死別によって終了する。離婚は、夫婦間の合意や裁判所の判断によって成立し、死別は、配偶者の死亡によって自動的に成立する。また、再婚によって新たな配偶者関係が成立することもある。
配偶者間には、法的な権利と義務だけでなく、家庭内での役割分担や子育て、家計管理など、日常生活において協力し合うことが求められる。また、夫婦間のコミュニケーションや信頼関係の構築が、円満な配偶者関係を築く上で重要であるとされる。
なお、配偶者と似た言葉に「パートナー」があるが、こちらは結婚に限定されず、恋愛関係や事業関係など、様々な共同体において協力し合う相手を指す言葉である。また、「同居人」は、同じ住居に住む人を指す言葉であり、配偶者以外の家族や友人、ルームメイトなども含まれる。
配偶者という言葉は、結婚によって成立する法的な関係を示すものであり、夫婦間の権利と義務、家庭内での役割分担や協力関係を意味する。また、配偶者関係は、離婚や死別によって終了し、再婚によって新たな関係が成立することもある。
配偶者
「配偶者」とは、いわゆる「結婚相手」を意味する法律用語であり、要するに「夫」か「妻」のことを意味する表現である。婚姻届を提出し、法律上の婚姻関係を結ぶことで、配偶者の関係となる。離婚によって解消される。
「配偶者」の「配偶」は「寄り添うこと・連れ添うこと」を意味する言葉である。「配偶者」は、いわゆる「連れ合い」という意味の表現ということになる。
英語では「配偶者」を spouse または partner という。 spouse は公文書などに用いられる形式張った表現であり、partner は日常会話などに用いられる一般的な表現である。
男性側から見た配偶者は「嫁」や「妻」、「女房」とも呼び、女性側から見た配偶者は「夫」または「亭主」とも呼ぶこともある。
配偶者は法律用語であり、日常会話の中で使われることはほぼ無い。法律上の関係にあることを前提とするため、事実婚など婚姻届けが提出されていない状況の相手のことを配偶者と呼ぶのは間違いである。日本語において配偶者の呼び方は誰から見た目線なのかによって変化する。夫や妻という語は自分から見た配偶者を指して使われることが多い。それに対し、他人の配偶者のことを呼ぶ時は「ご主人様」「奥様」と呼ぶのが一般的である。
一般的なマナーから見ればご主人様と呼ぶのが正しい用い方であるが、主人という言い方は主従関係における主を意味する「主人」を連想させることがある。そのことに配慮して「パートナー」と呼ぶ人もいる。配偶者の呼び方には地域や年齢によって使い方や感じ方に差があるが、いずれにせよ、相手を不快にさせないよう配慮することが大切である。
はいぐう‐しゃ【配偶者】
配偶者
配偶者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/02 13:02 UTC 版)
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配偶者(はいぐうしゃ)は、婚姻届を出した婚姻によって生じる地位であり、法律上は親族となるが、親等はない。婚姻の届出がなされていない内縁関係の場合は、法律婚とは異なり、法律的に「配偶者」と呼ばない。配偶者の地位は、婚姻の解消(離婚)で失われる[1]。
日本
法律上の扱い
日本においては、法律上、「配偶者」を規定する条文、用語の定義はなく、行政機関によって、慣例上恣意的に、法律上の婚姻関係(戸籍上の婚姻関係)にある者を指すと解釈、運用されている。
このため、例えば、相続権は戸籍上の婚姻関係にある配偶者にのみ認められており[2]、戸籍上の婚姻関係にない事実婚や同性カップル等の配偶者にはない(ただし、内縁上の配偶者に遺贈することは可能である[2])。
一方、内縁関係にある相手方を「内縁配偶者」として戸籍上の婚姻関係にある配偶者に準じて扱う場合もある。例えば交通事故が発生した場合の加害者に対する損害賠償請求権は内縁上の配偶者にも認められている[3]。ただし、戸籍上の配偶者が別にいる場合には賠償額は減額されうる[3]。
呼称
男性配偶者の呼び方
女性による自らの男性配偶者の(主に三人称的)呼び方としては、「夫」「主人」「あなた」「旦那」「亭主」「ダーリン」「連れ合い」などがある。子女のいる夫婦では、「お父さん」「パパ」「ダディ」などある。近年では、夫婦のいずれかが通称利用で旧姓を用いている場合など、男性の戸籍名(男性が通称を用いている場合は通称名)で呼ぶ場合もある。
女性配偶者の呼び方
男性による自らの女性配偶者(以下、妻と記す)の(主に三人称的)呼び方としては、「妻」「家内」「女房」「カミさん」「連れ合い」「ハニー」「ワイフ」などがある[4]。子女のいる夫婦では「お母さん」「ママ」「マミー」などがある。近年では、夫婦のいずれかが旧姓を通称利用で用いている場合など、女性の通称名(男性側が通称名の場合は、女性の戸籍名)で呼ぶ場合もある。
- 夫人、令夫人、Mrs.、マダム、レディ
- 他人の妻に対する正式な敬称である。英語の場合はMrs.となり、フランス語ではマダムと呼称される。
- 夫人は上流階級や公人の立場などの男性の夫人いわゆる女性配偶者に対して用いられ、例としてはヨーロッパ圏の貴族の当主夫人である伯爵夫人をはじめ大統領夫人・首相夫人や、有名なオペラで知られる蝶々夫人など、名前の後に敬称として「〇〇夫人」などが呼称・明記され標準かつ公式な敬称として使用される。重ねてより丁寧な呼びかけは「令夫人」である。
- 奥さん、奥様、奥方様、令室、ご令室
- 元々は、(二人称的呼称も含めて)他人の妻に対する尊敬語として使われてきた。奥さん、または奥様の正式名称は「奥方様」となる。昭和以降には、自らの妻をさして「うちの奥さん」などと使用する用法が生まれ、日本全国へ広まっている。「従来妻への尊敬語がなかったためこれにあたる語として奥さんを使用するようになってきている」[4]。
- 重ねて、ご令室は第三者の妻が弔辞や故人の際に用いられやすく、令夫人は慶事の際に用いられやすいので使用する際に大きく留意が必要である[5]。
- 細君・妻君(さいくん)
- 親しい人に自身の妻を呼ぶ呼称。または、同輩以下の人の妻に対する呼称[6]。
- 嫁、お嫁さん
- 元々は「自分の子供の妻」、「男性の結婚相手(用法:大きくなったら○○さんのお嫁さんになる!)」、「他人の妻」を指す(主に三人称的)言葉。現代では、西日本を中心に自分の妻(主に三人称的呼称)を指す用語として用いられる[4]。また、「男性一般の配偶者」や「結婚したばかりの女」を指す用法(主に三人称的呼称)としても平安時代の更級日記以来使われており、広辞苑をはじめ、辞書的にも認められいる。しかし、この場合は正式な呼び方より私的なくだけた世俗的な用法として使用される。
姻族呼称
配偶者の父を舅(しゅうと)、配偶者の母を姑(しゅうとめ)、配偶者の祖父を大舅(おおじゅうと)、配偶者の祖母を大姑(おおじゅうとめ)、配偶者の兄弟を小舅(こじゅうと)、配偶者の姉妹を小姑(こじゅうとめ)という(主に三人称的呼称)。
英語
呼称
英語では配偶者をspouseという。妻をWife、夫をhusbandと呼ぶ[7]。
配偶者の父(義理の父)をfather-in-law、配偶者の母(義理の母)をmother-in-law、配偶者の兄弟(義理の兄弟)をbrother-in-law、配偶者の姉妹(義理の姉妹)をsister-in-lawという[8]。
なお、同性婚など配偶者同士の立ち位置関係をなくすことを考慮した場合、配偶者であることを「パートナー」(性別表記は「個人」で置き換え)で表す。
脚注
出典
- ^ 第2版,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,世界大百科事典. “配偶者とは”. コトバンク. 2022年5月20日閲覧。
- ^ a b 高橋 裕次郎 監修『すぐに役立つ遺言の書き方と手続き―ケース別実践文例』三修社、2003年、108頁
- ^ a b 高橋 裕次郎 監修『すぐに役立つ交通事故と示談交渉しくみと手続き』三修社、2007年、120頁
- ^ a b c 北原保雄編『問題な日本語 その3』大修修館書店、2007年12月、ISBN9784469221930
- ^ “ご令室とは?|意味や使い方・類義語を解説”. 運営会社 © イキカタ.. 2020年11月11日閲覧。
- ^ “細君/妻君(さいくん) とは? 意味・読み方・使い方”. goo辞書. 2024年1月6日閲覧。
- ^ “英辞郎 on the WEB”. eow.alc.co.jp. 2022年5月20日閲覧。
- ^ 一杉武史 著『キクタン英語でコレ言える?【身のまわり編】』アルク、2016年
関連項目
外部リンク
配偶者
出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 13:34 UTC 版)
名詞
発音(?)
- は↗いぐ↘ーしゃ
類義語
翻訳
- ブルトン語: pried
- チェコ語: choť 男性/女性
- ウェールズ語: priod
- デンマーク語: ægtefælle
- ドイツ語: Gatte 男性, Gattin 女性
- 英語: spouse (en)
- スペイン語: cónyuge 男性/女性, consorte, esposo/esposa
- フィンランド語: puoliso, aviopuoliso, siippa
- フランス語: époux (fr) 男性, épouse (fr) 女性
- スコットランド・ゲール語: cèile m/n, fear-cèile 男性, bean-chèile 女性
- イタリア語: sposo/sposa
- ノルウェー語: ektefelle 男性
- ポルトガル語: cónjuge 男性/女性, esposo/esposa, marido
- ロシア語: супруг 男性, супруга 女性
- セルビア語: suprug 男性, supruga 女性
- タガログ語: asawa
- トルコ語: eş
- 朝鮮語: 배우자 (ko) (baeuja)
「配偶者」の例文・使い方・用例・文例
- 法定離婚原因の一例は、配偶者の生死が2年以上不明なことである。
- 当社では欧州への派遣者に限り配偶者同行制度を設けている。
- 非配偶者間人工授精を受けました。
- 彼女は彼が貧しいときも彼を支えるすばらしい配偶者だった。
- 配偶者間人工授精を受けました。
- 彼女はどんな男性にもよい配偶者となるだろう.
- 配偶者.
- 配偶者をなくした
- 法的に有効な離婚をしていない現存する配偶者がいるのに、誰かと結婚する違法行為
- 特に配偶者として選ばれるのにふさわしい
- 選ばれる価値がない(特に配偶者として)
- その人の配偶者の料理を称賛する
- 配偶者または恋人に誠実でない
- 配偶者または同棲相手に向けられた暴力または身体的な虐待
- 残された配偶者に支払われる保険
- 配偶者の死によって独身者になる
- 配偶者に関して
- 収監者と配偶者が性交をする刑務所での法的権利
- 彼らが結婚する間、どちらの配偶者も他から秘密情報を明かすことができない
- 亡くなった夫または妻が遺言で与えたものと、制定法で規定された財産分与のどちらかを選ぶ、生き残った配偶者の法的権利
配偶者と同じ種類の言葉
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