貸金業法上の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 07:11 UTC 版)
貸金業法第二条第一項に於いて、次のように定義される。 この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。国又は地方公共団体が行うもの 貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの 物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの 事業者がその従業者に対して行うもの 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行う者で政令で定めるものが行うもの 事業には、貸金業法第3条に基づく国(内閣総理大臣)あるいは都道府県知事への登録が必要となる。登録先は大手業者のように、複数都道府県に営業所を置く場合は内閣総理大臣(45条の規定で実際には金融庁長官に委任され、最終的な登録業務は本店所在地の財務局長に再委任されている)、一つの都道府県内に営業所を置く場合は都道府県知事(兵庫県は本店所在地の県民局長・県民センター長)であるが、営業所設置都道府県以外での営業活動を禁止していないため、東京都知事登録でありながら他県にも営業活動を広げている例が多い。登録申請書の提出先は、財務局登録か都道府県知事登録か、日本貸金業協会の協会員か非協会員かによって異なる。協会員が財務局に対して登録申請をする場合には、登録を申請しようとする財務(支)局長宛に、本店所在地を区域に含む日本貸金業協会支部を経由して提出するが、非協会員の場合には、直接、財務(支)局に提出する。協会員が都道府県知事登録を受けようとする場合には、当該区域を含む日本貸金業協会支部を経由して提出する。非協会員の場合には、直接知事宛に提出するところと、協会支部経由のところがある。 貸金業等の取締に関する法律2条第1項にいう「貸金業」とは反覆、継続の意思をもって金銭の貸付又は金銭の貸借の媒介をする行為をすれば足り必ずしも報酬若しくは利益を得る意思またはこれを得た事実を必要とするものではない。 業態としては、次のようなものがある。 消費者金融:個人への貸付(通称「サラリーマン金融(略称:「サラ金」)」) 事業者金融:事業者への貸付(通称「商工ローン」あるいは手形割引業者) クレジットカードによる金銭貸付(キャッシング) リース 抵当証券業 なお、質屋(質店)は主に一般個人に対して担保(質草)を取って金銭を貸し付ける業態であるが、貸金業法ではなく「質屋営業法」に基づく業態のため、貸金業には該当しない。許可・監督は財務局長や都道府県知事ではなく、各都道府県公安委員会(窓口は警察)が行う。 その他、銀行や協同組織金融機関(登録金融機関)以外に融資を行う業態としては、保険会社、証券金融会社、短資業者、独立行政法人(住宅金融支援機構、日本学生支援機構)、特殊会社(日本政策金融公庫)、生活協同組合の貸付事業、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付等があるが、いずれも根拠法が異なるため、貸金業には該当しない。
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