詩の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:09 UTC 版)
『大鴉』は各々6行の18のスタンザ(詩節、連)からできている。韻律は強弱八歩格(trochaic octameter)である。これは、アクセントの強い音節の次にアクセントの弱い音がくるトロキー(強弱格)という韻脚を1単位として、それを8つ重ねたものが1行になるというものである。第1行で説明すると次のようになる(太字は強勢、「/」は韻脚の区切り)。 Once up- / on a / mid-night / drear-y, / while I / pon-dered / weak and / wear-y しかしポーは『大鴉』は完全な八歩格、不完全な七歩格、不完全な四歩格の組み合わせだと主張した。押韻構成はABCBBBで、中間韻(en:Internal rhyme)(具体的にこの詩では「dreary」と「weary」。「Once upon」と「while I pon-」)と頭韻法(「Doubting, dreaming dreams...」)の使用は重厚さをもたらしている。20世紀のアメリカの詩人ダニエル・ホフマン(en:Daniel Hoffman)は、『大鴉』の構成と韻律は大変紋切り型で不自然なものであるが、その催眠術的な特質はそれを凌駕していると示唆している。 ポーは、エリザベス・バレット・ブラウニングの詩『Lady Geraldine's Courtship』の複雑な押韻と韻律(リズム)を『大鴉』の基本とした。ポーは『ブロードウェイ・ジャーナル』(en:Broadway Journal)1845年1月号にバレットの作品評を書いていて、そこで「彼女の詩的霊感はとても高度だ……我々は威厳を感じる以外に何も考えられない。彼女の美的感覚はそれ自体の中で純粋だ」と書いている。さらに『Lady Geraldine's Courtship』についても「私はこれまで、これほど激烈な熱情と、これほど繊細なイマジネーションを結びつけた詩を読んだことがない」と書いている。
※この「詩の構造」の解説は、「大鴉」の解説の一部です。
「詩の構造」を含む「大鴉」の記事については、「大鴉」の概要を参照ください。
- 詩の構造のページへのリンク