複体代数と関係構造上の集合体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/08 16:52 UTC 版)
「有限加法族」の記事における「複体代数と関係構造上の集合体」の解説
前順序集合体による開核代数の表現は、勝手な作用域を持つ正規ブール代数の表現に一般化できる。そのために、構造 (X, (Ri)i∈I, F) を考える。ここで (X, (Ri)i∈I) は関係構造(X 上で定義される関係の添字付けられた族)で、(X, F) は集合体である。関係構造上の集合体 X = (X, (Ri)i∈I, F) によって決定される複体代数 (complex algebra, algebra of complexes) とは、作用域を持つブール代数 C ( X ) = ⟨ F , ∩ , ∪ , ′ , ∅ , X , ( f i ) I ⟩ {\displaystyle C(\mathbf {X} )=\langle {\mathcal {F}},\cap ,\cup ,\prime ,\emptyset ,X,(f_{i})_{I}\rangle } のことである。ここで、各 i ∈ I に対して Ri は n + 1 引数の関係とすると fi は n 変数演算であって、S1, ..., Sn ∈ F に対して f i ( S 1 , … , S n ) = { x ∈ X : there exist x 1 ∈ S 1 , … , x n ∈ S n such that R i ( x 1 , … , x n , x ) } {\displaystyle f_{i}(S_{1},\ldots ,S_{n})=\{x\in X:{\mbox{there exist }}x_{1}\in S_{1},\ldots ,x_{n}\in S_{n}{\mbox{ such that }}R_{i}(x_{1},\ldots ,x_{n},x)\}} を満たすものである。 この構成は演算を関係の特別な場合と見なすことによって、演算と関係両方の勝手な代数的構造を持つ集合の体にまで一般化することができる。F が X の冪集合全体であるとき、この代数 C(X) は充満複体代数 (full complex algebra) または冪集合代数 (power algebra) と呼ばれる。 作用を持つ任意の正規ブール代数は、対応する複体代数に同型となるという意味で、関係構造上の集合体によって表現することができる。 (複体 (complex) という術語が歴史的に最初に用いられたのは代数構造が群の場合で、19世紀の群論において群の部分集合が複体と呼ばれていたことに起源がある。)
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