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ひょうげん‐がた〔ヘウゲン‐〕【表現型】

読み方:ひょうげんがた

生物の示す形態的生理的な性質遺伝子規定され発現する形質ひょうげんけい。→遺伝子型


表現型

一個体の同じ遺伝子座にある二つ遺伝子組合わせ遺伝子型 1呼ばれる。ある任意の遺伝子座において対立遺伝子同一であるならば、その遺伝子座同型接合 2であるといわれ、異なっている場合には異型接合 3であるといわれる。表現型 4とは、遺伝子型環境によって決定され観察可能な形質のことである。ある異型接合個体AA’)が同型接合個体AA)と表現型上区別できない場合には、対立遺伝子Aは対立遺伝子A’に対して優生 5であり、A’は劣性 6であるといわれる遺伝子突然変異 7呼ばれる突然で、一見無作為変化を受ける。任意交配 8、あるいは無作為交配 8個体群内の遺伝子均一な分布保証する


表現型

英訳・(英)同義/類義語:phenotype

遺伝学観察可能な個体現れ遺伝的特徴表現遺伝子型対応する

表現形質

同義/類義語:形質, 表現型
英訳・(英)同義/類義語:trait, phenotype

遺伝学で、生物外観や行動などで遺伝する特徴

表現型

Phenotype

【概要】 遺伝子という設計図変化ではなく、むしろ結果として形質(発現し性質)に基づいた病原体分類法。つまり生物外側か見た形や性質である。 

【詳しく】 どんな表現型になるかはそれぞれの遺伝子であらかじめ決まり、さらに外界環境によっても影響を受ける。HIV場合病原性標的細胞種類薬剤耐性さらにワクチンへの効果などの表現型がある。薬剤耐性という表現型は、標的酵素遺伝子変異生じた結果である。

《参照》 遺伝子型耐性


表現型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 17:13 UTC 版)

表現型(ひょうげんがた、ひょうげんけい、: phenotype。ギリシャ語のpheno=表示+type=型に由来)は、生物の複合的で観察可能な特徴や形質を表す遺伝学の用語である。この用語は、生物の形態学的または物理的な形態と構造、その発生過程、生化学的および生理学的性質、その行動および行動の産物を網羅している。ただし、獲得形質は含まない。


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表現型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:32 UTC 版)

遺伝子型」の記事における「表現型」の解説

詳細は「表現型」を参照 任意の遺伝子通常、表現型として知られる生物観察可能な変化もたらす。この遺伝子型と表現型英語版)という用語は、少なくとも2つ理由区別される観察者知識出所区別するため(DNA観察することで遺伝子型を知ることができ、生物外見観察することで表現型を知ることができる)。 遺伝子型と表現型は必ずしも直接相関しているわけではない遺伝子中には特定の環境条件でしか表現型を発現しないものもある。逆にいくつかの表現型は、複数遺伝子型結果である可能性がある。遺伝子型一般に観察され発現与え遺伝的要因と、環境要因両方最終的な結果を表す表現型とが混合されている(例えば、青い目髪の色、またはさまざまな遺伝性疾患)。 表現型とは異な遺伝子型説明する簡単な例として、エンドウ花の色がある(グレゴール・メンデル参照)。遺伝子型には、PPホモ接合型優性)、Ppヘテロ接合型)、ppホモ接合型劣性)の3種類がある。3つの遺伝子型はすべて異なるが、最初2つの表現型(紫)は同じであり、3番目の表現型(白)とは異なる。 遺伝子型説明するためのより専門的な例として、一塩基多型(SNP)がある。SNPは、異な個体持っているDNA対応する配列が、1つDNA塩基について異な場合発生し、たとえば、配列AAGCCTAがAAGCTTAに変化する場合などである。これには、CとTの2つ対立遺伝子含まれている。SNPには通常一般的にAAAaaa総称される3つの遺伝子型がある。上記の例では、3つの遺伝子型CCCTTTとなる。マイクロサテライトのような他の種類遺伝子マーカーは、2つ上の対立遺伝子を持つ可能性があり、その結果多く異な遺伝子型を持つことになる。 浸透度(英: penetrance、または浸透率表現率)とは、任意の環境条件下における表現型を示す、特定の遺伝子型を持つ個体割合のことである。

※この「表現型」の解説は、「遺伝子型」の解説の一部です。
「表現型」を含む「遺伝子型」の記事については、「遺伝子型」の概要を参照ください。


表現型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 09:11 UTC 版)

片親性ダイソミー」の記事における「表現型」の解説

UPD大部分では、表現型の異常が引き起こされることはない。しかしながらUPD原因となるイベント減数第二分裂時に生じた場合には、片親由来染色体遺伝子に関して同一コピーを持つこととなり、稀な劣性疾患生じ可能性がある。劣性疾患症状を示す患者一方の親のみが保因者である場合UPD疑われるインプリンティング遺伝子片親遺伝も表現型の異常を引き起こす場合がある。インプリンティング遺伝子として同定されているものはわずかであるが、インプリンティング遺伝子片親遺伝遺伝子機能喪失引き起こす場合があり、発生の遅れ、精神遅滞その他の健康問題引き起こされる場合がある。 最もよく知られている疾患としては、プラダー・ウィリー症候群アンジェルマン症候群がある。これらの疾患どちらも15番染色体英語版)の長腕位置するインプリンティング関連遺伝子UPDその他のエラーによって引き起こされるベックウィズ・ヴィーデマン症候群英語版)は、11番染色体英語版短腕位置するインプリンティング遺伝子の異常と関係している。 14番染色体英語版に関しても、UPDによって骨格の異常、知的障害関節拘縮など、特定の症状引き起こされることが知られている。 UPD前向き研究はほとんど行われておらず、大部分研究既知疾患偶発病変焦点当てたのであるUPD発生率考えられているほど低くはなく、過少報告されている可能性提唱されている。

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「表現型」を含む「片親性ダイソミー」の記事については、「片親性ダイソミー」の概要を参照ください。

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