血液中や組織表面の分解酵素による代謝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/07 14:08 UTC 版)
「高分子医薬品」の記事における「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」の解説
血液中には複数の可溶性のペプチド分解酵素が存在するとともに、肝臓や腎臓など複数の臓器にはaminopeptidaseやγ-glutamyl transpeptidase(γ-GT)のような膜結合型で細胞外に触媒部位を有する分解酵素が複数存在している。したがって、蛋白質医薬品の場合は、これらによる代謝が血中安定性・効果の持続に影響を与えうる。高分子蛋白質の場合は、分解酵素による代謝をうけ、速やかに生物活性を失うものは多くない。しかし低分子ペプチドにおいてはこれらの代謝が速やかな消失を支配している事例が知られている。速やかに消失する低分子量ペプチドとしてはアンジオテンシンやソマトスタチンが知られている。ソマトスタチンは14アミノ酸からなる環状ペプチドであるが分解酵素による代謝の影響で半減期はわずか数分である。ソマトスタチンの構造を8アミノ酸に短縮し、一部のアミノ酸をL-アミノ酸からD-アミノ酸に変換したオクトレオチドをつくったところ、ソマトスタチンの生理活性を維持しつつ、分解酵素の代謝を逃れ血中半減期を90分まで延長することに成功した。
※この「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」の解説は、「高分子医薬品」の解説の一部です。
「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」を含む「高分子医薬品」の記事については、「高分子医薬品」の概要を参照ください。
血液中や組織表面の分解酵素による代謝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)
「薬物動態学」の記事における「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」の解説
血液中には複数の可溶性のペプチド分解酵素が存在するとともに、肝臓や腎臓など複数の臓器にはaminopeptidaseやγ-glutamyl transpeptidase(γ-GT)のような膜結合型で細胞外に触媒部位を有する分解酵素が複数存在している。したがって、蛋白質医薬品の場合は、これらによる代謝が血中安定性・効果の持続に影響を与えうる。高分子蛋白質の場合は、分解酵素による代謝をうけ、速やかに生物活性を失うものは多くない。しかし低分子ペプチドにおいてはこれらの代謝が速やかな消失を支配している事例が知られている。速やかに消失する低分子量ペプチドとしてはアンジオテンシンやソマトスタチンが知られている。ソマトスタチンは14アミノ酸からなる環状ペプチドであるが分解酵素による代謝の影響で半減期はわずか数分である。ソマトスタチンの構造を8アミノ酸に短縮し、一部のアミノ酸をL-アミノ酸からD-アミノ酸に変換したオクトレオチドをつくったところ、ソマトスタチンの生理活性を維持しつつ、分解酵素の代謝を逃れ血中半減期を90分まで延長することに成功した。
※この「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」の解説は、「薬物動態学」の解説の一部です。
「血液中や組織表面の分解酵素による代謝」を含む「薬物動態学」の記事については、「薬物動態学」の概要を参照ください。
- 血液中や組織表面の分解酵素による代謝のページへのリンク