蟲狩関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 09:43 UTC 版)
蟲狩(ムシカリ) 巨大蟲の退治を生業とする銀髪の風貌をした集団であり、かつて無涯が所属していた。しかし現在は蟲の根源である常世の蟲の力を弱めるために蟲奉行の殺害を目的としており、「蟲笛」を用いて蟲を操り江戸に混乱をもたらし、八丈島の戦いでは蟲奉行所を大いに苦しめた。蟲の毒に耐性を持ち、人間を超越した強靭で高い身体能力を誇り、自分達が作った武器を使った戦い方を得意とする。 元々はかつて常世の蟲を打ち倒し、その力を得た秦河勝の子孫で構成された一族。彼が常世の蟲を討ち取った際に聞いた怨讐の言葉に危機感を感じ、飛騨高山に隠れ里である小里村を作り蟲退治を使命として与えられていたが、長い年月の中で形骸化し100年前の大阪で蟲が出現し始めてから蟲退治をするようになった。無涯達は8年前の黒い蟲の襲撃まで(当時はまだ子供で、里の掟で知らなかったためとはいえ)信じておらず、その際に彼らを除いた多くの村人を殺され里も滅ぼされた。以降、蟲への復讐のために生き残った有虚や無涯達によって蟲狩が結成された。なお、蟲狩の紋所は有虚が「蟲に蹂躙された者達」という意味を込めて作ったものである。 アニメ版では、異常なまでの復讐心の根源は暮らしていた村を蟲奉行に滅ぼされた模様。常世の巫女(とこよのみこ) 蟲狩の一族の中でも特に秦河勝の血(常世の蟲の力)を色濃く受け継いだ人間。男子なら「常世の神子」と呼ばれる。「里で祀るべき存在」であると同時に「畏れの対象」でもあったようだが、千年もの長い歴史で様々な対処を見出し他の村人との共存を図っていた。作中では叶とその息子である仁兵衛がこれにあたる。 しめ縄の髪飾りで常に力を封じなければいけないほどの人外な神力を持ち、伝承では大地を割り空を裂き天変をも操ったといわれる。内に秘めた他の蟲狩の者達と同等以上の身体能力に加え、生れ落ちた時より髪は白く輝き意思があるかのように自在に動かす摩訶不思議な能力を持つ。力の覚醒(使用)時には髪の大部分が白くなって残った黒髪が紋様のようになる。使用後は体にかなりの疲労感が残り、一度力を使い切ると次に使えるまで時間がかかる。 仁兵衛の場合当初は「常世の巫女」の力を自覚するまでの間、常世の蟲に力を与えられた蟲奉行の髪を口に含んだり、常世の井戸で「常世の巫女」の力の源である常世の蟲の記憶を垣間見てその際に聞いた憎悪の声に掻き立てられたことなどが原因でしめ縄の髪飾りの封印する力を超え仁兵衛自身を御し切れなくなり、覚醒した挙句暴走までしていた。しかし、後に自分からしめ縄の髪飾りの封印を解いて完全に覚醒し、今まで以上の力を行使できるようになった。 鳰との決着後、常世の蟲が自身に関するものを全て常世の国に持ち帰ったことで仁兵衛からその力は消失し、「常世の巫女」は仁兵衛の代限りでその役目を終えることとなった。 塵外刀(じんがいとう) 無涯と有虚が持つ身の丈14尺(約4.2m)ほどの異形の大太刀。峰の部分に内側に直角になった2つの刃が付いている。蟲に対して絶大な攻撃力を持ち、切断した蟲の一部を取り込むことで一度だけ別の武器に変貌する特性を持つ。 元々は秦河勝が常世の蟲を切り捨てた際に使った刀で、彼同様その血を浴びて変質し摩訶不思議な力を得たと里の書に記述されていたが、無涯達が発見した時には何故か2つに折れていた。それを「塵外刀」に鍛え上げるために空をはじめとする黒い蟲に殺された常世の蟲の力を宿す村人達の遺骨を使うという禁忌を犯した。蟲狩のメンバー内でも誰かが目的半ばで死んだ場合、さらに強く鍛えるためにその一部になることを誓っている。 鳰との決着後、常世の蟲が自身に関するものを全て常世の国に持ち帰ったことで消失した。滅蟲邪刀「ムシカリ」 有虚の「塵外刀」を幾度も鍛え直し、670種もの蟲の外骨格を練りこんで神通力を極限に高め、蟲奉行の能力を相殺するために生み出された小さな赤い刃。後に蟲奉行が常世の井戸で力を取り戻した際に心臓ごとくり貫かれ、無涯によって「塵外刀真打」に鍛え直された。 塵外刀真打(じんがいとうしんうち) 真田に破壊された無涯の「塵外刀」を滅蟲邪刀「ムシカリ」と共に心血を注いで一つに鍛え直した一振り。峰の刃は無くなり、刃紋に4つの円形の模様が刻まれている。黒い蟲の脚を簡単に切断する切れ味もさることながら、今までの「塵外刀」とは違い一度使役した蟲の能力をずっと記憶させることができる。また、電気による攻撃も通さない。 常世の蟲の襲来後、真白から渡された死亡した蟲狩のメンバーの遺骨を使われ無涯によってさらに鍛え直され、当初の「塵外刀」に近い峰の部分に直角になった5つの刃が付いている形状になった。過去に吸収した複数の蟲の力を形状・能力ともに同時使用することが可能になっている。 しめ縄の髪飾り 仁兵衛が母・叶から形見として受け継いだ、普段から髪をまとめるのに付けている魔除けのしめ縄。強力な外因的要因を除いて「常世の巫女」の力を常時封印する力を持ち、鳰曰く「作り方は不明だが、蟲狩の里の者達の努力の結晶」とのこと。 咎神の秘薬(とがみのひやく) 鳰が発見した里の祠に眠っていた人外の秘薬。秦河勝の生き血を使用したもので、飲むことで「常世の巫女」にも近い潜在能力を引き出すと言われているが、その際に銀髪に変質している間絶望的な苦しみに耐えねばならず、里の者であっても死に至るかもしれない代物。無涯達はこの薬を飲んだことで銀髪の風貌になった。 養蟲丸(ようちゅうがん) 蟲狩のメンバーが武器以外の研究で作り出した蟲狩だけに効く回復薬。外見は芋虫のようだが、食べれば傷口が塞がるほどの回復力を持つ。 天羽々斬剣(あめのははきりのつるぎ) 古くから代々「常世の巫女」が受け継ぐ由緒正しき刀で、「常世の巫女」のみが振るうことを許される。見た目は大昔の物と思わせる直刀で、仁兵衛曰く「握り心地・振り心地共に想像以上に最高」な刀らしい。叶が小里村から旅立つ際に一緒に持ち出し、源十郎に息子の仁兵衛が一人前になった際に渡すよう頼んでいた。上総国での修業後に仁兵衛の手に渡り、元々持っていた刀と合わせ仁兵衛の新たな武器として力を発揮し、普段は黒い帯を付けて背負う形で持ち歩いている。 通常時は刀身が無い柄と鞘だけの刀だが、覚醒した「常世の巫女」の力を柄が吸収することでエネルギー状の力強く白い両刃の刀身を顕現する。しかし、刀身の顕現自体は簡単なものの「常世の巫女」の力を無尽蔵かつ高速で吸収する上に制御も非常に困難で、仁兵衛が使用した際には刀身が暴走・巨大化し、一振りで1万の蟲人を薙ぎ払う程の威力を見せ「常世の巫女」の力の殆どを搾り尽くした。それ故、仁兵衛が現れるまで叶を含めた歴代の「常世の巫女」が誰一人この刀を扱ったという記録は無かった。制御成功後はその出力を調整することで刀身の大きさを変えることも可能にしている。 鳰との決着後、常世の蟲が自身に関するものを全て常世の国に持ち帰ったことで消失した。
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