聖剣
聖剣(遺跡兵装)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 03:50 UTC 版)
「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」の記事における「聖剣(遺跡兵装)」の解説
聖剣とは、水晶片を核に23個以上の雑多な護符(タリスマン)を呪力線で束ねて作られた剣である。相手の魔力を利用することで、圧倒的な戦力差を覆すことができる。現在の浮遊大陸群では製法および調整方法が失われているため、地上から発掘される超兵器として扱われ、遺跡兵装(ダグウェポン)と呼ばれている。人間族にしか扱えないが、「人間の作業を代わりに行う」という特性を持つ黄金妖精には扱うことができる。 剣を構成する個々の護符は戦闘とは無関係な効果を持つものも多く、単体では大したことがない効果のものも含まれる。それらを組み合わせて作るという製法から、500年前の地上時代はカリヨン(組み鐘)とも呼ばれていた。低位のものは量産することも可能であった一方で、高位の聖剣の中には独自の特筆能力(タレント)を持つものもある。聖剣は護符を相互干渉させてできている、いわば一つの小世界である、とヴィレムは例えた。 極位古聖剣 すべての聖剣の原型となった5振りの聖剣。古聖剣を元にこれまで数多くの聖剣が開発・製造されてきたが、未だに極位古聖剣に並ぶまたは超える聖剣を人類は製造することができていない。5振りの銘はそれぞれ「セリオニス」、「モウルネン」、「ゼルメルフィオル」、「スィーレン」、の4振りが作中で明記され、最後の1振りだけまだ明かされていない。異伝に登場する聖剣技師ヨーズア・アステリッドの予想だと、極位古聖剣は使い手を選定するのではなく、元々一人の使用者しか想定されていないので、最初の使用者と特徴が似ているものしか扱うことができないと語った。 セニオリス 人類史上最強の聖剣。41個の護符で構成されており、ごく初期に偶然組み上げられた極位古聖剣の一振りで、赤銅竜殺し、神韻砕き、白鞘の秘刃、など数々の異名を持つ。理論上、42個の護符がないとここまでの力が発揮できないはずなので、聖剣技師アデライードに不思議がられていた。 特筆能力は「相手を問答無用で死者に変える」。対象が不死であれ不滅であれ、あらゆるものに『死』の呪詛を刻み『死者』にする。 適合条件は帰る場所を持たず、帰りたい場所に帰ることを諦め、自分自身の未来をすべて投げ出し終えること。人間族や黄金妖精の中でも、非常に特殊な素質を持つ極一部の者にしか扱えない。モウルネンが「絆によって物語を始めさせる剣」ならば、セニオリスは「死をもって物語を終わらせる剣」と例えられる。 地上では正規勇者ニルス、リーリァなど、記録に残るうちでは少なくとも7人が扱っていた。第一部ではクトリが、第二部ではラキシュが適合している。 ヴァルガリス アイセアが適合している聖剣。特筆能力を持たないが、全体的にスペックの高い優秀な剣であり、欠点らしい欠点がないとされる。 異伝より、刀身を構成する護符の数は40。剣というより鎚に近いフォルムを持ち、魔力の増幅性能に関してはセニオリスに伍するほどの性能を誇る。聖剣は本来、人類の敵と戦う為の道具で戦うという意志と目的があるからこそ「剣」という形状をしているが、この聖剣はこの大前提を根底から無視して組み上げられている。その特異性から聖剣のあるべき姿に対する冒涜だとされ、アステリッドの工房で銘も与えられないまま厳重に封印されていた。 インサニア ネフレンが適合していた聖剣。 特筆能力は「使い手の恐怖心を後回しにする」。聖剣としての格はそれほど高くない。 第一部の地上での戦闘にてヴィレムが核となる水晶を取ったため消滅した。 ヒストリア ラーントルクが適合している聖剣。 特筆能力は「過去の使い手の記憶を蓄積する」。だが、記憶を引き出す術が失われている。 デスペラティオ 第一部でノフトが適合していた聖剣。銘の意味は「絶えた望み」。 特筆能力は「同族を殺す」。とはいえ、人間に近い生物(鬼族など)にも多少の効果はある。 第一部の地上での戦闘により消滅した。 ロクス・ソルス 特筆能力は「筋力賦活」。しかし治癒機能が損壊している為、振るった翌日は筋肉痛に悩まされる。 かつて巨漢の準勇者が愛用していた。 ラピデムシビルス 特筆能力は「心身のコンディションを最良に保つ」。 ヴィレムが属した勇者パーティーの一員、準勇者ナヴルテリ・テイゴザックの愛剣。 ヴィレムが言語理解の護符を強引に組み込んだため、消滅した。 イグナレオ 第二部でティアットが適合している聖剣。 特筆能力は「目立たなくなる」。格はそれほど高くない。 プルガトリオ 第二部でコロンが適合している聖剣。 特筆能力は「浄化を宣言する」。使用者が「罪人」と認めた相手を切り倒す。この定義は、戦闘の前に相手を視認して行う必要があるため、通常は戦場全体を俯瞰して行う。 効果は使用者が魔力を熾して剣を振るい続ける限り続く。消耗が激しいため、コロンの場合、一度使えばひと月は再使用できない。 カテナ パニバルが適合している聖剣。 とても細身な聖剣で、構成する護符の数も少ない。 特筆能力は「気持ちを伝える」。だが、伝えたい気持ちがあるなら話せば良いため、使われた記録はほとんどない。言語理解の護符と類似した特筆能力ではあるが、刀身に触れた相手にしか効果がなく、思いしか伝わらないので共有していない固有名詞はただの音の羅列としか認識できない。 オラシオン デスペラティオが戦いの中で失われ、その後ノフトが改めて適合した聖剣。 特筆能力は「ささやかな願いを叶える」。ただし願いの具体的な指定は出来ず、使用者の潜在意識にあるものを勝手に叶える。 ムルスムアウレア 特筆能力は「限定的な不死」。この戦場で燃え尽きてもいいと覚悟を決めることで発動する。 30年ほど前の妖精兵、エルバが適合していた聖剣。 プロディトル 第二部でユーディアが適合している聖剣。銘の意味は「造反者」。聖剣としての格はとても低く、才能も伝説も持ち合わせていない底辺準勇者の専用剣だった。 特筆能力は他に類を見ない唯一無二のしろもので、ヴィレムいわく「大事な時に仕事をしない」。 見た目は色とりどりの護符で出来ているが、護符の材質や形が揃っていないせいでまるでがらくたの寄せ集めのように見える。だが、そんな見た目とは裏腹に成体の錆竜に思い切り叩きつけても壊れなかったとヴィレムは語った。 パーチェム 30年ほど前の妖精兵、ナサニアが適合していた聖剣で、2部9巻ではアルミタが適合した。銘の意味は「平和」。 特筆能力は「戦場の希望となる」。基礎スペックは低いが、能力発動時には使用者のすべての能力を飛躍的に上昇させる。人間種の記録によると「悲しい戦いを終わらせる平和の剣」とされていた。つまり、戦況が悲劇的な展開になるまでその真価が発揮されることはない。 モウルネン 極位古聖剣の一振り。100年ほど前に地上で発掘されたが、妖精倉庫に送られずに護翼軍の倉庫に保管されていた。 特筆能力は「絆を強く結ぶ」。使用者とその仲間の間に非常に強力な共感能力を強制的に発動することが出来るといわれている。 かつて準勇者ヘルヴァ・T・ロンティスが翠釘侯との戦いで使用した。 セニオリスが「死をもって物語を終わらせる剣」だとしたらモウルネンは「絆によって物語を始めさせる剣」と例えられる。 使用条件は「前の所有者の最も信頼していた者」で、極位古聖剣の中で最も使用条件がゆるく、地上で記録が残る限り15人が使用した。 ゼルメルフィオル 極位古聖剣の一振り。使えた者は二代目正規勇者リュシル・ザクサイトただ一人で、それ以外の人が起動すると「灰色のぶよぶよした何か」になってしまう。 前述の極位古聖剣より、ゼルメルフィオルは近づく人間を強制的に「リュシル・ザクソイト」へ作り変えてしまう能力があり、「灰色の何か」は改造が終わる前に壊れてしまった人間の残骸である。この「灰色の何か」が水に浮くのは、百九人の娘の過半数を切り殺したせいで水精に憎悪され、水の中に入ることができなくなった、リュシル・ザクソイトの伝説に基づいていると推測される。 スィーレン 極位古聖剣の一振り。 使用条件は「特定の彗星が見える夜に生まれた者」。 ロスアウレウム 特筆能力は「精神を飛翔させる」。霊体を肉体から切り離し飛ばせるが、霊体が肉体を得た黄金妖精では深刻なエラーを引き起こす。 パーシヴァルシリーズ 量産型聖剣。かつてヴィレムが愛用していた。量産品故のシンプルな構造の為、戦場では簡単なカスタマイズや調整ができ、また比較的小ぶりなサイズの為、手足が伸び切っていない少年だった頃のヴィレムからはとても評価が良かった。特筆能力は付与されていないが、扱いやすい聖剣。聖剣としての格は最低の量産品だが、「最低数の護符で聖剣として成立させる」をコンセプトに製造される帝都工房の傑作。 ディンドランシリーズ 量産型聖剣。パーシヴァルシリーズの発展型。500年前の地上で専用聖剣を持たない準勇者に好まれていた聖剣、ナヴルテリやヴィレム、シャントルの結界内でネフレンも使用した。
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<聖剣(ブレード・イコン)>
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<騎士>の<選定儀装>。
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