繁殖地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 00:34 UTC 版)
カナダヅルの繁殖地はカナダ中部及び北部、アラスカ、アメリカ合衆国中西部と南東部、シベリア、キューバなどの沼地及び湿原である。水生植物の生い茂る場所や水辺の地面が営巣地となる。草などを積んで作った巣に雌が二つの卵を産む。ツルはつがいで一生を過ごすため、両親が幼鳥に餌を与えるが、幼鳥はほどなく自分で餌をとることができるようになる。カナダヅルが繁殖行動を始めるのは生後2年から7年ほど経ってからである。野生のもので寿命は25年ほどだが、飼育個体ではその2倍以上生きることが知られている。雌雄のつがいは一年を通じて行動を共にし、生まれた子供とともに南へと渡る。 浅い水場や湿原で歩き回り、時折その嘴も使って餌を探す。雑食性で、昆虫類や水辺の動植物、齧歯類、植物の種や実を食べる。営巣時期以外は大きな群れをなし、耕作地で探餌行動をとることも多い。 またカナダヅルは、激減したアメリカシロヅルの個体数回復のため、抱卵と子育てを行う里親として利用されたことがある。しかしカナダヅルに育てられたアメリカシロヅルは他の個体を自分と同種の生き物であると認識できず失敗に終わった。アメリカシロヅルとカナダヅルがつがいを組むこともなかった。 フロリダの亜種は住宅の敷地内でも見かけることがあり、人が近づいても怖がらない。地面に落ちていたり、人間が与えたりした、トウモロコシの穀粒や市販の鳥の餌なども食べる。フロリダ中北部では人家の庭に一年を通して姿を現すが、つがいで、もしくはまだ若い幼鳥を連れてやってくることも多い。
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