経緯・イスラム過激派テロリスト
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「サン=テティエンヌ=デュ=ルヴレ教会テロ事件」の記事における「経緯・イスラム過激派テロリスト」の解説
サン=テティエンヌ=デュ=ルヴレ教会テロ事件は、2016年ニーストラックテロ事件(死亡者86人、負傷者458人)から12日後のことであり、実行犯のアデル・ケルミシュ (Adel Kermiche; 19歳) とアブデル・マリク・プティジャ (Abdel Malik Petitjean; 19歳) は「アッラーフ・アクバル」と叫んだときに突入した特殊部隊に射殺された。イスラム過激派組織「イスラム国」(ISIS) が「このテロは十字軍(キリスト教)連合国を狙った」と犯行声明を出した。また、ISISのメディア部門アマク通信は、テレグラムを介して実行犯2人がISISに忠誠を誓う姿を写した動画を公開した。 実行犯の一人であるアデル・ケルミシュは、地元のモスクで過激思想に染まり、2015年3月にシリアでISISに合流しようと出発したがトルコで追い返され、家族の捜索願に基づき、ドイツで逮捕された。スイス経由でパリに送られ、2016年3月まで拘留された後、保護観察下に置かれ、電子足輪(GPS足輪)を付けて親元で暮らしていた。土日以外の午前中は外出可能であったため、7月26日火曜の朝拝中にサン=テティエンヌ教会に侵入することができた。平日の朝拝であったため、信者は少なかったが、犯人は「信者が少ない教会の朝拝時間が最も確実な犯行時間と考えた」可能性もあるという。 実行犯2人は教会の裏口から侵入すると、礼拝中のアメル神父を祭壇から降ろして跪かせ、アラビア語を唱えた後、神父の首を切り、殺害した。1人の修道女が逃げ、警察に通報したため、テロ対策の特殊部隊が1時間半後に教会に到着し、教会から出てきたテロリストを射殺した。 3人の修道女は聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会のシスター、エレーヌ・ドゥコー (83歳)、ダニエル・ドゥラフォス (72歳)、ユゲット・ペロン (79歳) で、犯人に「コーランを読んだことがあるか」と訊かれ、「聖書を敬うようにコーランを敬っている。特に印象的なのは(コーランの)平和に関するメッセージだ」と答えたことなど、後に事件の様子を詳細に語り、その勇気と冷静さを称えられた。
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