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細菌学者らとの論争とハンブルク事件とは? わかりやすく解説

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細菌学者らとの論争とハンブルク事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 10:24 UTC 版)

マックス・フォン・ペッテンコーファー」の記事における「細菌学者らとの論争とハンブルク事件」の解説

1876年ロベルト・コッホ炭疽菌発見し、これが動物炭疽原因であることを証明した。さらに1882年結核菌発見したことによって、ヒトにおいて細菌こそが病気の原因であり、それがいわゆるコンタギオンとして伝染しているという「細菌病原体説」が提唱され細菌学一気医学分野最先端として隆盛迎えた。しかし病気の原因環境汚染にこそあると考え公衆衛生重要性第一に考えていたペッテンコーファーは、この説に異論唱え、しばしば細菌学研究者論争起こした例えば、1888年にはパリ灌漑農場拡張事業の是非を巡って病原細菌灌漑地に蓄積される危険性指摘し反対の立場をとったルイ・パスツールに対して、「細菌学者机上理論しかない」と反論し灌漑賛成立場をとった。 ペッテンコーファーが行った論争のうち、最も有名なものはコレラに関するのであるペッテンコーファー自身は、上述たようにコレラ発生の原因として複合病因説を提唱して自他ともに認めるコレラ研究第一人者になっていたが、1883年コッホコレラ患者からコレラ菌分離し、本こそがコレラ病原因子であると主張したことで、ヨーロッパ医学界二分する大きな論争発展したまた、ペッテンコーファーは、衛生学第一人者として細菌学者らと論争しただけでなく、同じ衛生学分野でも論争起こしていた。イギリスでのコレラ流行時に初め疫学調査行ったスノーとは、公衆衛生実践方法として、上水道対す見解違い対立した疫学調査から水源井戸)の重要性注目して上水道整備重要視したスノー対しペッテンコーファーは、上水道重要性について認識していなかったわけではなかったが、むしろ下水道整備こそが重要であるとの考え曲げなかった。イギリスの一開業医に過ぎなかったスノーと、すでにドイツ医化学界の重鎮であったペッテンコーファーという、立場大きく異な両者論争だったが、これもヨーロッパ二分する衛生学上の大きな論争になったこの後者の論争については、1892年8月起きたドイツハンブルクでのコレラ流行のときに終結迎えた当時ハンブルクとその近郊アルトナという二つ都市は、人口規模同程度で、同様の下水処理施設保有し、同じエルベ川水源としていた。しかし、この2つ都市では上水処理方法にのみ違い見られた。ハンブルクではペッテンコーファーの説に従い短時間沈澱処理という簡便な上水理だけを行っていたのに対しアルトナでは緩速砂ろ過処理という、より厳密な上水処理が行われていたのである。そして1892年コレラ流行では、ハンブルク8500名のコレラ患者出たのに対しアルトナではわずかな患者が出るにとどまった。この結果は、コレラ予防における上水処理の重要性如実に示したものであり、ペッテンコーファー論争敗れたことを認めざるを得なかった。

※この「細菌学者らとの論争とハンブルク事件」の解説は、「マックス・フォン・ペッテンコーファー」の解説の一部です。
「細菌学者らとの論争とハンブルク事件」を含む「マックス・フォン・ペッテンコーファー」の記事については、「マックス・フォン・ペッテンコーファー」の概要を参照ください。

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