むらさき‐がい〔‐がひ〕【紫貝】
紫貝
紫貝(パープル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 02:05 UTC 版)
前述のとおり、巻貝の鰓下腺から出た分泌液が染料の原料とされた。この分泌物は、巻貝が外敵を退けるときに分泌する、強烈な臭いを持つ粘液であるが、この粘液が酸化されると鮮やかな紫色を発色することにより、染料として使われるようになった。なお、この色素は現在、臭化化合物の6,6'-ジブロモインディゴであることが分かっている(インディゴを参照)。 巻貝1個から採取できる粘液は微量であるため、服1着の染色には巻貝数千から数万個を必要とした。中世の地中海では染色目的による巻貝の乱獲が進み、大航海時代に入る頃には巻貝が激減し、貝による紫染色は廃れていった。 一方、マヤ文明のあったユカタン半島地方の西、現在のメキシコ南部のオアハカ地方でも、別種の巻貝の分泌液を染料とする同様の染色が伝統的に行われている。ここでは巻貝から分泌液を採取した後巻貝を海に戻したため、巻貝の個体数はあまり減っておらず、現在でもこの染色法は行われている。
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「紫貝」の例文・使い方・用例・文例
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