第二次再抗告審
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 02:30 UTC 版)
抗告棄却決定に対し、弁護側は2月10日、最高裁に対して即座に再抗告を申立てた。他方この棄却決定に対してBの母は、「裁判のことは私どもが口をはさむことではありません。あの子の部屋は昔のままです。机もそのまま、毎日、悲しみに耐えてるんです」と泣き崩れた。 弁護側の申立書に曰く、抗告審決定はナイフの新発見という、非行事実の存在に合理的な疑いを抱かせる事実を、合理的理由を示さず否定した。これはAの側に積極的な無罪証明を要求するものであり、「疑わしきは被告人の利益に」という白鳥決定の趣旨に反する判例違反である。そして、このことは同時にデュー・プロセスを蔑ろにする憲法違反である、とする。 しかし翌1985年4月23日、木下忠良裁判長が指揮する最高裁第二小法廷は、やはり抗告棄却の決定を下した。 最高裁は弁護側の再抗告趣意をすべて否定したが、なおも職権調査を実施した。そして、取調べの録音テープ内容を検討しても、Aが捜査員に迎合したり臆したりした様子もなく、客観的事実に符合する自白を極めて自然に供述している、とした。再抗告審決定はAの自白に任意性と高度の信用性を認め、それとは逆に、否認供述に数々の不合理・矛盾・転変・客観的事実との齟齬を指摘した。 そして再抗告審決定は、現場の足跡のAとの類似性や、発見されたナイフが市内でいつでも買える物である点、そしてAがナイフの存在について沈黙していた不自然性を挙げ、本件非行事実の認定を覆すに足る理由はない、とした。
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