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硬さと結晶構造とは? わかりやすく解説

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硬さと結晶構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/24 07:14 UTC 版)

ダイヤモンドの物質特性」の記事における「硬さと結晶構造」の解説

ダイヤモンド古代ギリシャ語で" ἀδάμας "(ラテン文字転写で" adámas ":「固有、独特」、「不変」、「壊れにくい」の意味)として知られ時にアダマントadamant, 日本語で「無砕石」と訳されると言われていた。ダイヤモンドモース硬度は「10」で、地球上存在する物質の中で最も硬い結晶構造は、各炭素原子隣り合う4つ原子共有結合により結合しているため、極めて硬い構造有する窒化ホウ素ダイヤモンドと同じ閃亜鉛鉱構造をしている為、ダイヤモンド硬度ほぼ等しい。現在はβ-C3N4(英語版)という仮想物質ダイヤモンドと同じ、或いはそれ以上硬度をもつと予測されている。ナノサイズの粒径有する一部ダイヤモンド粉末大きな結晶ダイヤモンドよりも硬く靱性もある為、研磨材としての利用価値が高い.。ダイヤモンドテストに必要なこれらの超硬材料利用するためには、ダイヤモンド硬さに関する正確な数値調査しなければならない純粋なダイヤモンド結晶の[111]方向立方晶最長対角線)に垂直な面をハイパーダイヤモンド圧子先端引っ掻いたところ、167GPaの硬度計測した一方、そのハイパーダイヤモンド硬度は他のハイパーダイヤモンド圧子測ると310GPaであった。この試験検査対象物よりも硬い圧子先端行っているため、正確な測定が可能である。恐らくハイパーダイヤモンド硬度最大でも310GPaと推測されるダイヤモンド引張強さ英語版)は不明であるが、60GPaまで観測されている。そして結晶格子結晶方向欠陥もなく完全であれば、90GPaから225GPaまで耐えられるとされる引張強度は、[100]の結晶方向立方晶格子面垂直な方向)が最も大きく次に[110]方向、そして[111]方向に対して最も弱い。 立方晶ダイヤモンド八面体の面に対して4方向に完全な劈開をもち、切れ味の悪い刃先でも簡単に割れ滑らかな劈開面が現れるまた、ダイヤモンド結晶方位によっても硬度異なる。立方体の面の対角線方向が最も硬く、最も軟らかい十二面体の面のそれより100倍の差があり、八面体の面に対す硬度はこの2極値の中間位置する。ダイヤモンドカット加工はこれらの性質大い利用している。特にカリナン・ダイヤモンドのような大きなダイヤモンド原石から傷ついた箇所除去する時や原石から2つ上の宝石作り上げる際は、ダイヤモンド劈開役に立つダイヤモンド結晶構造は、ダイヤモンド立方晶系空間群ではFd3mと表記)で、炭素原子共有結合された四面体型で構成される。また六方晶のダイヤモンドロンズデーライト)が発見されたが、地球上存在するのは非常に稀で、隕石中に含まれるか、研究実験により合成される理論的にロンズデーライトダイヤモンドよりも硬いとされるが、ロンズデーライト粒径サイズと質が十分でないため、この仮説検証できないまであるダイヤモンド晶癖自形で、形状丸み帯びた八面体あるいは滑らかな三角形輪郭八面体双晶取りやすい。他にも十二面体稀に立方体発見される。これは不純物である窒素ダイヤモンド自形結晶形成しやすくする役割果たしているという事実が判明している。カリナン・ダイヤモンドといわれる史上最大ダイヤモンド発見当初は形が不恰好であったこのようなダイヤモンドは純粋で、その為たとえ窒素でもほとんど含まれない八面体ダイヤモンド表面には成長途中にできた三角形状の欠損腐食による窪み(これらはトライゴン(trigon)といわれる)が存在しているため強い光沢を示す。ダイヤモンド断口は、階段状または貝殻状不規則な割れ目をしている。八面体表面多数階段状を形成し球状に近い形をしたダイヤモンド一般的にゴム似た鈍い光沢放つ。この成長欠陥には、うろこ状や波状などの形状見られるブラジルコンゴ民主共和国採掘されたあるダイヤモンド多結晶で、また色は不透明暗色球形または放射状をしている。これらは「バラス」として知られ単結晶ダイヤモンド劈開面が無いものとして工業的に重要である。カーボナード不透明なナノサイズの微細結晶有するバラスと同様、劈開面が存在せず比重は2.9から3.5幅広いブラジルベネズエラガイアナ発見された「ボート英語版)」といわれるダイヤモンドは、最も工業用ダイヤモンドとしての利用価値が高い。これもまた多結晶半透明不完全な形状をし、簡単に割れる。 非常に大きな硬度と強い分子結合有する為、カット加工施したダイヤモンドカット面は最も平坦で、その面の縁は非常に鋭く尖っているダイヤモンド表面疎水性親油性の性質兼ね揃えている。前者性質は、ダイヤモンド水滴置かれても、表面全体拡散せずを弾くことを意味し、他のほとんどの鉱物そのような特徴はない。そして後者性質は、油やグリースダイヤモンド馴染みやすく、その他鉱物ではそれらは凝集する。この特性利用してダイヤモンドがどうか疑わしい鉱物グリース塗布するグリースペン開発されている。ダイヤモンド表面炭素原子末端水素原子結合している際は、ダイヤモンド疎水性を、酸素原子ヒドロキシルラジカルでは親水性を示す。450°C上で適切な反応ガス処理すればダイヤモンド表面特性は完全に変化する天然ダイヤモンド表面半分以下は酸素の単分子層で、残り水素構成されている為、疎水性を示す。この性質利用した「グリースベルト」といわれるものを用いて鉱山ダイヤモンド他の鉱物区別している。

※この「硬さと結晶構造」の解説は、「ダイヤモンドの物質特性」の解説の一部です。
「硬さと結晶構造」を含む「ダイヤモンドの物質特性」の記事については、「ダイヤモンドの物質特性」の概要を参照ください。

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