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瞬膜とは? わかりやすく解説

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しゅん‐まく【瞬膜】

読み方:しゅんまく

目の角膜とまぶたとの間にある薄膜伸縮する半透明のひだで、必要時に角膜上を覆って保護する鳥類両生類爬虫(はちゅう)類・サメ類ではよく発達し哺乳類では退化している。


瞬膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 15:01 UTC 版)

瞬膜を閉じるズグロトサカゲリ

瞬膜(しゅんまく、英語: Nictitating membrane)とは、まぶたとは別に水平方向に動いて眼球を保護する透明又は半透明の膜。第三眼瞼英語: third eyelid)ともいう。

「まばたき」を意味する「」の字をもって「瞬膜」と呼ばれる[1]

瞬膜をもつ種

瞬膜を半分ほど閉じたハクトウワシ

両生類魚類の一部(サメの仲間)、及び鳥類爬虫類は発達した瞬膜をもつが、哺乳類では瞬膜が痕跡器官となっている種も多く、霊長類では一部の種に限られる[2][3]。ただし哺乳類でもラクダホッキョクグマツチブタ鰭脚類アシカアザラシの仲間)には完全な瞬膜がある。鳥は自由に瞬膜を動かすことができる。

ヒトの半月ひだは瞬膜の痕跡器官と考えられている。

ヒトの場合、半月襞(はんげつひだ、plica semilunarisまたはsemilunar fold)とそれに繋がる筋肉がおそらく他の瞬膜に対応する器官ではないかと考えられている[4]。霊長類のほとんどの種はこの半月襞をもつが、キツネザルロリス下目の種は十分に発達した瞬膜をもつ[5][6]

機能

上下に開閉する上眼瞼・下眼瞼と異なり、瞬膜は水平方向に動いて眼球を覆い、保護する。また通常半透明の膜であるが、ビーバーマナティなどは水中で眼球を保護するため瞬膜を閉じて活動し、瞬膜も透明である。一方、アシカのように砂埃やゴミから目を守るため陸上で瞬膜を閉じているものもある。猛禽類はヒナに餌を与える際、目をつつかれないよう瞬膜を閉じる。またハヤブサは獲物を狙って急降下するとき、繰り返し瞬膜をまばたきして眼球の潤いを保ちゴミがつかないようにする。ホッキョクグマの瞬膜は、雪に反射する太陽光で雪眼(雪眼炎)にならないよう目を保護するはたらきがある。サメは獲物を襲う際に目を守るため瞬膜を閉じる。キツツキは木の幹をクチバシで叩く瞬間に瞬膜を閉じ網膜を保護している[7]

多くの動物は、眼球へ何らかの刺激(風など)を受けると眼を守るため反射的に瞬膜が閉じる。この反射を利用してウサギに古典的条件付けを行う実験も多い[8]

チェリーアイ

イヌのチェリーアイ

イヌネコの瞬膜(第三眼瞼)は筋線維部分があまり発達していないので普段は見えないが、逆に瞬膜がいつも見えるときは何らかの体調不良や病気が疑われる。ただし健康なイヌ・ネコでも、寝ている間に目をゆっくり開けたり目のまわりを押したりすると瞬膜を確認できる。瞬膜が逸脱して「チェリーアイ (cherry eye」と呼ばれる症状になり易い犬種もある。[9]

脚注

  1. ^ ただしイヌやネコはこのような瞬きをしないので、「瞬膜」ではなく「第三眼瞼」と呼ぶ方が正確である。 目の病気について”. マスナガ動物病院. 2012年11月26日閲覧。
  2. ^ R.オーウェン 1866–1868. Comparative Anatomy and Physiology of Vertebrates. London.
  3. ^ Why do cats have an inner eyelid as well as outer ones? Scientific American. 20 Nov 2006. (Accessed 2 Nov 2011)
  4. ^ The Eye: Basic Sciences in Practice by John V. Forrester, p. 82
  5. ^ Osman Hill, W. C. (1953). Primates Comparative Anatomy and Taxonomy I—Strepsirhini. Edinburgh Univ Pubs Science & Maths, No 3. Edinburgh University Press. p. 13. OCLC 500576914 
  6. ^ Ankel-Simons, F. (2007). Primate Anatomy (3rd ed.). Academic Press. p. 471. ISBN 0-12-372576-3 
  7. ^ Wygnanski-Jaffe T, Murphy CJ, Smith C, Kubai M, Christopherson P, Ethier CR, Levin AV. (2007) Protective ocular mechanisms in woodpeckers Eye 21, 83–89.
  8. ^ Gormezano, I. N. Schneiderman, E. Deaux, and I. Fuentes (1962) Nictitating Membrane: Classical Conditioning and Extinction in the Albino Rabbit Science 138:33–34.
  9. ^ Frans C. Stades, Milton Wyman, Michael H. Boevé, Willy Neumann, Bernhard Spiess. Ophthalmology for the Veterinary Practitioner. 105–106

瞬膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 18:31 UTC 版)

「まぶた」の記事における「瞬膜」の解説

詳細は「瞬膜」を参照 瞬膜(しゅんまく)とは、脊椎動物多くの種にある、開閉式で眼球を覆える半透明の膜。 まぶたが顔の皮膚連続して常に露出しているのに対し、瞬膜は目の中から出てきて眼球覆った開いたりする。従って、まぶたがある種では、まぶたと眼球との間に位置するまた、まぶたが垂直方向の運動をすることが多いのに対し、瞬膜は平方向の運動をすることが多い。 鳥類爬虫類無尾両生類魚類一部サメ類など)は瞬膜が発達しているが、哺乳類では退化している種が多い。多くのようにまぶたも瞬膜も無い種もあれば、まぶたと瞬膜の両方があり二重眼球を覆える種もあり、まぶたが無く瞬膜だけがある種もある。

※この「瞬膜」の解説は、「まぶた」の解説の一部です。
「瞬膜」を含む「まぶた」の記事については、「まぶた」の概要を参照ください。

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