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直江状の内容とは? わかりやすく解説

直江状の内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 04:20 UTC 版)

直江状」の記事における「直江状の内容」の解説

一、当国の儀其元に於て種々雑説申すに付、内府御不審の由、尤も余儀なき儀に候、併して京・伏見の間に於てさへ、色々の沙汰止む時なく候、況んや遠国景勝弱輩と云ひ、似合いたる雑説存じ候、苦しからざる儀に候、尊慮易かるべく候、定て連々聞召さるべく候事。 一、景勝上洛延引に付何かと廻り候由不審に候、去々年国替程なく上洛去年九月下国当年正月時分上洛申され候ては、何の間に仕置申付らるべく候就中当国雪国にて十月より三月迄は何事も成らず候間、当国案内者御尋ねあるべく候然らば何者景勝逆心具に存じ候て申成し候と推量せしめ候事。 一、景勝別心無きに於ては誓詞を以てなりとも申さるべき由、去年以来数通の起請文反古になり候由、重て入らざる事。 一、太閤以来景勝律儀の仁と思召し候由、今以て別儀あるべからず候、世上の朝変暮化には相違候事。 一、景勝心中毛頭別心これなく候へども、讒人の申成し御糾明なく、逆心と思召す是非に及ばず候、兼て又御等閑なき様に候はば、讒者御引合せ是非御尋ね然るべく候、左様これなく候内府御表裏存ずべく候事。 一、北国肥前殿の儀思召のままに仰付られ候、御威光浅からざる事。 一、増右・大刑少御出頭の由委細承り及び候、珍重に候、自然用所の儀候へば申越すべく候式太は景勝表向の取次て候然らば景勝逆心歴然候へば一往御意見及んでその筋目、内府御為にも罷成るべく候処に、左様分別こそ存届け候へども、讒人の堀監物奏者を仕られ、種々の才覚を以て妨げ申さるべき事にはこれなく候(や)、忠信か、佞心か、御分次第重て頼入るべく候事。 一、第一雑説ゆえ上洛延引御断り、右に申宣べる如に候事。 一、第二武具集候こと、上方武士今焼炭取・瓢べ以下人たらし道具御所持候、田舎武士鉄砲弓箭の道支度申し候、其国々風俗と思召し御不審あるまじく候、不似合道具用意申され候へば景勝不届の分際何程の事これあるべく候や、天下不似合御沙汰存じ候事。 一、第三作り船橋申付られ、往還の煩なきようにと存ぜらるるは、国を持たるる役に候条此の如くに候、越国に於て舟橋作り候、然らば端々残ってこれあるべく候淵底監物存ずべく候当国罷り移られての仕置にこれなきことに候、本国と云ひ、久太郎踏みつぶし候に何の手間入るべく候や、道作までにも行立たず候、景勝領分会津の儀は申すに及ばず上野下野岩城相馬正宗領・最上由利仙北に相境へ何れも道作同前に候、自余の衆は何とも申されず候、堀監物ばかり道作に畏れ候て、色々申鳴らし候、よくよく弓箭を知らざる無分別者と思召さるべく候景勝天下対し逆心企てこれあり候わば、諸境目堀切、道を塞ぎ防戦支度をこそ仕らるべく候へ。十方へ道を作り付けて逆心のうえ、自然人数を向わせられ候わば、一方防ぎさえ罷りなるまじく候、いわんや十方防ぎ候ことまかりなるものにて候や、縦とへ他国罷出で候とも、一方にて(こそ)景勝当の出勢罷成るべく候へ中々是非に及ばざるうつけ者存じ候、景勝領分道作申付く体たらく江戸より切々御使者白河口の御見為すべく候、その外奥筋へも御使者上下致し候条、御尋ね尤もに候、御不審候はば御使者下され所々境目御見させ(候はば)、合点参るべく候事。 一、景勝当年三月謙信追善に相当り候間、左様の隙を明け夏中御見舞の為上洛仕らるべく内存に候、武具下国の覚、仕置為に候間、在国中きっと相調い候様に用意申され候処、増右・大刑少より御使者申分され(候)は、景勝逆心不穏便に候間、別心なきに於ては上洛尤もの由、内府御内証の由、迚も内府様御等間なく候はば、讒人申分有らまし仰せ越され、きっと御糾明候てこそ御懇切験したるべき処に、意趣逆心なしと申唱へ候間、別心なきに於ては上洛候へなどと、乳呑子会釈是非に及ばず候、昨日まで逆心企てる者も、其行はずれ候へば知らぬ顔にて上洛仕り或は縁辺或は新知行など取り、不足を顧みざる人と交り仕り候当世風は、景勝身上には不相応に候、心中別心なく候へども、逆心天下にその隠れなく候、妄りに上洛累代弓箭の覚まで失い候条、讒人引合御糾明これなくんば、上洛罷成るまじく候、右の趣景勝か否か尊慮過すべからず候、就中景勝家中藤田能登守と申す者、七月半ば当国引切り江戸へ移りそれより上洛候、万事知れ申すべく候景勝違い候か、内府御表裏か、世上御沙汰次第に候事。 一、千言万句入らず候、景勝毛頭別心これなく候、上洛の儀は罷成らざる様に御仕掛け候条、是非に及ばず候、内府御分次第上洛申さるべく候、たとえこのまま在国申され候とも、太閤様御置目に相背き、数通の起請文反故になり、御幼少の秀頼様へ首尾なく仕られ(なば)、此方より手出し候て天下の主になられ候ても、悪人の名逃れず候条、末代恥辱為すべく候此処遠慮なく此事を仕られ候や、御心易かるべく候、但し讒人の儀を思召し不義の御扱に於ては是非に及ばず候間、誓言も堅約も入るまじき事。 一、爰許に於て景勝逆心と申唱え候間、燐国に於て会津働とて触れ廻り或は人数或は兵粮支度候へども、無分別者の仕事に候条、聞く入らず候事。 一、内府様へ使者を以てなりとも宣ぶべく候へども、燐国より讒人打ち詰め種々成し家中よりも藤田能登守引切候条、表裏第一御沙汰あるべく候事、右条々御糾明なくんば申上られまじき由に存じ候、全く疎意なく通じ、折ふし御取成し我らに於て畏入るべきこと。 一、何事も遠国ながら校量仕り候有様も、嘘のように罷成り候、申すまでもなく候へども、御目かけられ上申入れ候、天下に於て黒白御存知の儀に候間、仰越され候へば実儀と存ずべく候御心安きまま、むさと書き進じ候、慮外少なからず候へども、愚慮申述べ候、尊慮を得べきためその憚り顧みず候由、侍者奏達恐惶謹言

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