まお・す〔まをす〕【▽申す】
ま・す【▽申す】
もう・す〔まうす〕【申す】
読み方:もうす
1 主として会話に用い、聞き手に対し、「言う」を改まって丁重に表現する丁寧語。
㋐「言う」対象が聞き手(または尊者)の場合には、対象を敬う気持ちも残るが、現在、対象を敬う謙譲語は「申し上げる」である。「昨日、先生に—・したとおりです」
㋑単に「言う」を改まり丁重にいう場合。この場合にも、謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生が申された」のような言い方は適切でないとされる。「父がこのように—・しております」「私は鈴木と—・します」「一口に日本と—・しましても」
2 1のへりくだる気持ちが失せて、「言う」を改まり重々しくいう。「そうは—・しておらん」
㋐「言う」の謙譲語。申し上げる。古くは、改まって言上する場合に多く用いられた。
「(帝ニ)翁(おきな)のありさま—・して」〈竹取〉
「母君の御行くへを知らむと、よろづの神仏に—・して」〈源・玉鬘〉
「いけずき(=馬ノ名)を—・さばやとは思へども」〈平家・九〉
「田邑(たむら)の帝と—・す帝おはしましけり」〈伊勢・七七〉
㋓「する」「なす」の謙譲語。…してさしあげる。「御助勢を—・しましょう」
4 (補助動詞)動詞の連用形、現代語では「お」などを冠した動詞の連用形や動作をいう名詞に付いて、謙譲の意を表す。「お送り—・します」「御相伴—・します」
[可能] もうせる
「申す」の例文・使い方・用例・文例
- 有罪[無罪]の評決を答申する.
- この事は重ねて申すまでもありません.
- 12 人の市民からなる陪審員は事件を審理した上で有罪または無罪の評決を答申する.
- 私は藤田と申す者です.
- 職務上でこう申すのだからどうぞ悪しからず
- 万端おまかせ申す
- 指図がましいことを申すようですが、十円もお出しになってはどうですか
- 折り入ってお頼み申す
- 殿下には供奉員がおつき申す
- こんなことを申すのも皆老婆心だ
- お見それ申すほどご成人なさいました
- 私の方からお礼を申すところです
- これは申し後れましたが私は何某と申す者でござります
- 勝手がましいことを申すようだがちょうど百円にして下さい
- わっしゃ六助と申すけちな野郎でごぜえやす
- この方法は試してみたから安心してお勧め申す
- この方法は(実見の結果)安心してお勧め申す
- ことさらに語学の研究をお勧め申す
- 改めてお頼み申す
- 哀れなにとぞ某{それがし}が申す旨を御得心なし下さらば御恩の程は二世三世命に掛けても報じ申さん
品詞の分類
- >> 「申す」を含む用語の索引
- 申すのページへのリンク