現行の階級制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:56 UTC 版)
消防総監は東京消防庁の長、すなわち東京都特別区消防長の職名でもあり、その職にある消防吏員にのみ付与される階級である。消防組織法と旧警察法が施行される前、消防は警察の一部署であった。消防総監の職は本来、東京都の消防本部の責任者である消防本部の長(消防長)という位置づけだが、敗戦後の占領中に、GHQから警察と消防は同格であるべきで、警視庁のトップが警視総監なのに東京消防庁の長が消防本部長ではおかしいという指摘がなされ、消防総監という階級・職名になった。よって消防総監は警視総監と同様に役職名と階級名が一致している。消防総監は通例として全国消防長会の会長も務める。消防署長の階級は消防監ないし消防司令長とされるが、消防監の任用が多い。また副署長ないし課長は消防司令長、担当課長ないし係長は消防司令、主任は消防司令補の階級の者が任用されることが通例とされる。ちなみに消防吏員の階級においては消防司令を上級幹部(警察官上級幹部は警部相当、消防団上級幹部は団長ないし副団長相当)、消防司令補を中級幹部(警察官中級幹部は警部補相当、消防団員中級幹部は分団長ないし副分団長相当)、消防士長を初級幹部(警察官初級幹部は巡査部長相当、消防団員初級幹部は部長ないし班長相当)としている。しかし、消防吏員のうち幹部と称するのは、消防司令補以上を指すのが通例である。 常備消防の担い手である消防吏員は常にローテーションで交代しながら常に緊急時に備えている。しかし、消防にかける予算・人員には限りもあり、平時は消防署と並列関係にある消防団と連携する場面もある。大震災など大きな有事の際は消防団が消防長・消防署長の指揮下に入るため、消防吏員が地域住民により編成された消防団員を指揮して消防・救急にあたる場合もある。
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