現行の合竹以外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 16:27 UTC 版)
『體源抄』などの古文献には、「笙笛相竹」として次のような一見合竹に似た2音から7音までのものが挙げられている。それには現在の通常の笙で音の出る15管の名前が付いているが、美と言の内容は同じとなっている。 笙笛相竹構成音×千 乞(A4)、凢(D5)、乙(E5)、下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、千(F#6) ×十 十(G5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、八(E6) ×下 一(B4)、下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、言(C#6) 乙 乞(A4)、乙(E5)、七(B5)、八(E6) 工 工(C#5)、凢(D5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5) ×美 凢(D5)、下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、言(C#6) ×一 一(B4)、凢(D5)、下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、 ×八 乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6) ×言 凢(D5)、下(F#5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、言(C#6) 七 凢(D5)、十(G5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5) 行 凢(D5)、美(G#5)、行(A5)、千(F#6) ×上 十(G5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、上(D6)、千(F#6) ×凢 工(C#5)、凢(D5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、千(F#6) ×乞 乞(A4)、乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、八(E6)、千(F#6) 比 比(C6)、上(D6) しかしこの「笙笛相竹」は、和音として見た場合、そもそも(少なくとも現行の標準運指で、同一指で複数の管を同時に押さえないという前提では)演奏不可能なものが半分以上を占めており(×印を付けたものが該当。同一指で押さえるはずの千十・千工・下乙・八美・一美・一言・美言・凢乞が混入しているため)、演奏可能なものの中でも5音以上から成るものは工・七の2つしかないことなどからして、これについて林謙三は、合竹のように演奏するための和音というよりも、「管と管の律の関係のあるものを吹き比べて音を調べるかどうかの用を持つにすぎない」としている。 『楽曲考』では、現行の合竹の他、現在の通常の笙で簧が付けられていない毛や、義管として用いた卜・斗を主とする合竹を復元試作しており、ここで『楽曲考』では、卜は工、斗は言の代わりに挿入されるとしている。またこれに関連して、林謙三は各均の合竹の試案を作成しており、その中で毛・卜に当たる合竹も作成している。 合竹名構成音毛(楽曲考) 毛(D#5)、乙(E5)、美(G#5)、行(A5)、七(B5)、千(F#6) 毛(林謙三) 毛(D#5)、乙(E5)、行(A5)、七(B5)、言(C#6)、千(F#6) 卜(楽曲考) 卜(F5)、行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、千(F#6) 卜(林謙三1) 卜(F5)、行(A5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、也(G6) 卜(林謙三2) 卜(F5)、行(A5)、比(C6)、上(D6)、也(G6) 斗(楽曲考) 行(A5)、斗(A#5)、七(B5)、比(C6)、上(D6)、千(F#6)
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