犯行計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 02:28 UTC 版)
「福山市一家3人殺害事件」の記事における「犯行計画」の解説
1988年6月7日昼ごろ、Uは福山市霞町内の金物店で「折れない包丁をくれ」と何度も念押しして、極めて鋭利な出刃包丁(「牛刀」・刃体の長さ約24 cm)を代金14,000円で購入した。さらに「犯行発覚後、自分がどのような心境で犯行に走っておくか明らかにしておこう」と考え、福山駅付近で知り合った男に謝礼を与え、同日夜に福山市内のホテルで「甲と知り合ってからの経過」「甲が姿を隠した状況」「現在の自分の心境や犯行決意」などを口授して書き取らせ、メモ紙6枚に及ぶ文書(昭和63年押第29号の9)を作成させた。 その一方で、Uは長女B夫婦・Dの拒否的な態度から「自分自身がB・Dたちに面会を求めても、警戒されて不可能だ」と考えたため「第三者を利用してB・Dたちを呼び出し、殺害を実行しよう」と計画し、その役を務めてくれそうな人物を探した。その結果、6月9日に福山駅周辺で浮浪(ホームレス)生活をしていたXと、翌10日には同じくYと出会い、2人に酒・食事をおごって以降自身と行動を共にさせ、10日夜には市内のビジネスホテルに3人で宿泊した。その間、UはX・Yに対し「甲との生活・甲が姿を消した経緯」「自分に対するB・A夫婦やDの態度」などを語り続け、2人に「Bらへの報復に助力してほしい。その見返りにそれぞれ50万円ずつ報酬を与える」と約束。X・Yは2人ともその報酬に釣られ、「UがB・Dらに危害を加える」ことを認識した上で、呼び出し役として助力することを承諾した。UはホテルでX・Yに対し「こぐま」およびD宅の出入り口を開けさせるため、口上を教えて練習させたほか、1988年6月11日夕方にはサウナバス(福山市伏見町)にて「翌12日に計画を実行する」とX・Yに告げ、再度B夫婦・Dを呼び出すための口実を考えて2人に教え込み、その練習を行わせるなどした。その際に話し合われた実行手段は「タクシーでまずD宅に赴き、Xが『○○子』の夫を装ってDを呼び出し、UがDに危害を加える。その間にYが『こぐま』へすぐ移動できるようタクシーを確保しておき、次いで『こぐま』へ移動した際にはX・Yが『こぐま』への弁当注文の客を装ってB・A夫婦に玄関を開けさせ、Uが店内に入り夫婦らに危害を加える」というものだった。
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