無権代理人の責任の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/25 19:27 UTC 版)
無権代理人は、相手方の選択に従い、履行又は損害賠償をなす責任を負う(117条1項)。履行不能となっている場合は損害賠償責任のみ追及できる。判例は無権代理人の損害賠償責任は信頼利益だけでなく履行に代わるべき損害を賠償すべきとしており履行利益説をとる。ただ、無権代理人が無資力(損害賠償などの引き当てになるような見るべき財産がない状態)である場合、相手方は十分な救済を得ることはできない。 本人Aと代理人(とされる)Bとの間に代理権授与があったかどうかがあやしい場合に相手方Cが訴訟を提起する場合、Cには前訴で代理人(として)Bに訴訟告知をすることができる。Bは有権代理のとき責任を負わず無権代理のときCに責任を負うので、補助参加をしてCに(代理権の存在、Aの追認の主張等をして)味方することになる。Cが前訴で無権代理であるとしてAに敗訴して後訴でBに無権代理の責任追及をすると、前訴で補助参加したBは参加的効力により有権代理の主張ができない(民事訴訟法第46条)。 なお、有権代理か無権代理かは法律上併存しないので、相手方は二つの請求について同時審判の申出をすることができる(民事訴訟法第41条)。
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