無山とその周辺
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鈴の木初音(すずのき はつね)演:桑島法子 本作品の主人公。「魔法使い」と呼ぶしかないような途方も無く人間離れした霊能力を持つ陰陽師・鈴の木無山の娘。シリーズ開始時(2002年)は16歳の女子高生だったが、高校を卒業してからは一時は家事に専念するようになり、後に父の跡を継いだというわけでなく独自のものであるが陰陽師となり、様々な依頼を請け負う身となる。 「ごくフツー」に生きることを望む少女だが、幽霊や妖怪の類を見聞きできてしまう体質であり、弱いものならば倒すこともできる。気が強く少々短気で、歯に衣着せず発言し、時に手が出ることもある。 強力な陰陽師であるが一般生活能力の皆無な養父・無山に代わって幼い頃から家事の一切を引き受ける。普段から守り刀を携帯している。 高校卒業当初、進学・就職等をしなかったのは無山の面倒を見るつもりだと本人は思い込んでいたが、実際には「そういった考え」に及ばないよう、無山に思考や行動を制限されていた。無山の暗示によって実の両親との記憶を消されていたが(記憶を消した理由は「引き取った直後の初音が両親のことで毎日泣いてばかりだったから」という非常に短絡的なものだった)、無畏によってその暗示を解かれる。しかしまだ両親の姓や死の原因等、完全には思い出しきっていない。無山にはその他にも思考への介入を度々行われており、初音は怒りを感じているものの、それらが悪意のないものだとわかっているため、憎みきることはできない。 当初は父の仕事には一切関わらないというスタンスだが、その決意とは裏腹に徐々に小八汰を自分の式神として使いこなしたり(気づかないうちに)無山の仕事の手伝いをさせられていたりと、段々陰陽師らしい行動をとるようになっていた。また、自分の身を守る為や両親の死の謎を求める為、積極的にも陰陽術を覚えていった。 実父・無定と無山との確執の真相を知る為に、無山の元を離れ笹木家に身を寄せた後、無山が無定を呪殺するに至る真相をすべて知り、無山を許せない(許してはいけない)と考えるに至るが、彼女と対決したうえで自分が死ぬことを望んで鈴の木流本山へ引き籠った無山を戦うことなく術を破り、罪の大きさを認めさせる為笹木家に幽閉させることで能力を無力化させ、人間としての更生を望んだうえで縁を切る。 家事が上手でそこそこ美人な為たまに彼女を想う人間も現れるが、「女ヂカラ」は皆無に等しい。 鈴の木無山(すずのき むざん)演:三木眞一郎 初音が4歳のときから彼女を引き取って育てている(とはいえ実際には初音が無山の面倒を見ている始末である)養父。シリーズ開始時で37歳。 「日本一の陰陽師」と呼ばれ、その実かなり危険な仕事(善悪を問わず依頼さえあれば、呪殺等も行っている)も請負っているが、初音には仕事のことはほとんど話さない。しかし、いつかは彼女を自分の後継者にと考えているらしい。 無畏によって「初音の実父・無定を殺した」らしいことが示唆される。更に、初音に知られないよう常に彼女を監視していたことも彼女自身に見抜かれるが、その真意やそもそも彼女を引き取った理由等は不明。 幼い頃から陰陽師の仕事をしていたせいか、常識では考えられないほどの世間知らずで短絡的な考えの持ち主。初音曰く「大人子供」。しかし無畏からは「人としての能力は0に等しいが魔人としては最強」と称され、顧客からは「博士(はかじょ、陰陽師のこと)のなかでは一番人間から遠い」とも言われている。本人は術を使うことを「遊び」と認識しており、手ごわい相手だとそれを破ることに熱中して相手の生死に頓着しなくなる。結果として見知った相手を死なせてしまったことも少なくはなく、初音の父・武を死なせてしまったことは数少ない後悔の種になっている。 元々小八汰を式神にしていたが、大きくなり過ぎて扱いづらくなったことと請け負った仕事の処理に便利だったという理由で地中に封印しかける。それ以来、小八汰に恨まれている。 初音に自分が無定を殺したことを知られて以来、上記のような短絡的な考えで引退宣言を遺したまま本山へ引き籠り、過去無定に仕掛けたように初音に勝負を仕掛けるが、あくまで術を破ることなく彼の許へやってきた初音によって制裁を受け、現在は笹木家で幽閉されており、「半吉」と呼ばれながら、典明についてボランティアをしながら修業中。 初音には「パパ」と呼ばれている。 篠崎兵吾(しのざき ひょうご)演:石川英郎 無山の一番弟子。いつも無山の仕事についているほか、運転手なども務める。かなりの女たらしでナンパ男だが、初音には手を出せないよう、無山から首の後ろに呪詛を入れられている(尤もこの呪詛は、それ以外にも色々なものを制限しているらしい)。金銭感覚ゼロの無山からは、かなり高額の給料を貰っている。 シリーズ初期には使えなかった術も徐々に使えるようになるなど、陰陽師としての成長もしているようである。また霊的なものに憑依されやすい体質であるらしく、無山からは依代としての未来を期待されていたらしい。しかし、無山の非情さへの疑問や、彼が初音を「どう見ているのか」疑問に感じだす描写もみられる。無定と無山の兄弟弟子による鈴の木流後継の確執の真相も知っているようだが、それを初音に明かすことも「首裏の呪詛」のせいで叶わなかった。 幼い頃から既に両親が亡く、また霊が見える体質だったらしく、少年院に入っていたところを無山が身元引受人になることで出所した経緯がある。それ故か、異様なまでに警察から身を隠す習性がある。 初音と無山が相次いで自宅から姿を消したことを機に鈴の木流から逃げることも考えたが、初音の為に思いとどまり彼女と一緒に本山へ向かう。無山の術中で「かつて初音を殺しかけた瞬間」に時間を戻されパニックに陥るが、その隙に亡き無定が彼に憑依し初音をサポートすることとなる。事件の解決後も初音を殺しかけたことを引きずり彼女と別れようとするが、彼女に懇願されふたりでコンビを組んで仕事をするようになる。 小八汰(こやた)演:下野紘 元々は無山が使役する式神。本来は巨大な鬼の姿をしているが、普段は少年の姿をとっている。 普段なかなか帰宅できない無山の代わりに初音のボディガード(魔物から身を守るだけでなく、敵対する陰陽師からの攻撃からも守るよう、無山から命令されていた)をするほか、無山の手に負えない魔物を喰う役割も果たす。 魔物を喰わせるうちに力が強大になり過ぎた為、一度は無山に裏切られ封印されかかったが、彼に情をかけた初音の力により、現在は初音がアヤカの携帯を介して使役することになった。無山を異様に恨んでいる。 初音の式神になってからは彼女を守るとともに、徐々に「初音の知らなかった無山の真相」を彼女に語るようになる。本人は、初音が無山の術で死に自分の意志で動けるようになった後無山を殺そうと考えていたらしいが、結局本山の外庭にて、無山の式によって初音と引き離され決着まで傍観することとなった。 テンテン 初音が使役する式神。初音はペットのつもりで接しているが、実は管狐。テンテン本人曰く、「決してペットではないんですよ……」とのこと。初音はテンテンの言葉を聞くことができないが、無山は聞くことができる。無山はテンテンに対し、初音を守ること、友だちとなること、何かあったら知らせることを命じている。
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