滞留時間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 18:21 UTC 版)
各リザーバーにおける水の平均滞留時間リザーバー 滞留時間 海洋 3,200 年 氷河 20~100 年 季節的な雪 2~6ヶ月 土壌中 1~2ヶ月 浅層地下水 100~200年 深層地下水 10,000年 湖沼 50~100年 河川 2~6ヶ月 大気 9日 水循環における滞留時間とは、水一分子が各リザーバーに滞留する平均時間のことである。 地下水は10,000年以上地下に留まっていることがあり、特にその期間が長い物は化石水と呼ばれる。水が土壌中にある期間はごく短い。これは、土壌が薄く広がっていて、容易に大気中に蒸発したり、河川などに流れでたり、地下水となったりするためである。蒸発して水蒸気となった水はおよそ9日ほどで凝結し、降雨などの形をとって再び地表に降り注ぐ。 水文学において、各リザーバーにおける水の滞留時間を推定する方法は概して2つある。広く用いられている方法は質量保存の法則に基づくもので、各リザーバーの容量がおよそ一定であると仮定したうえで、その推定容量を各リザーバーにおける流入量で割って滞留時間を算出する。概念的には、全く水が流出しない状況下で、各リザーバーの容量を空の状態から満たすのに必要な時間を計算したものと考えればよい。 もう一つの方法は放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を用いるもので、同位体水文学の領域である。地下水の滞留時間計算においては、この方法が採られることが多くなってきている。
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