海洋調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 18:21 UTC 版)
詳細は「:en:RP FLIP」を参照 FLIP スクリップス海洋研究所が運用する外洋調査用フローティング・インストゥルメント・プラットフォーム「R/F FLIP」世界で唯一のFLIPとして1962年から運用され続けている。左:通常の船と同じ姿勢(水平位)をとっている。全長は355フィート(約108メートル)。2012年撮影。右:調査ための姿勢(垂直位)をとっている。船首部を水面下に沈めており、船が大海原の真ん中で逆立ちをしているような、不思議な形になっている。撮影時期は不明(2007年よりは古い)。 フローティング・インストゥルメント・プラットフォーム(英語:FLoating Instrument Platform、頭字語:FLIP)は、荒れた海で安定したプラットフォームを形成するために設計されている特殊な船である。なお、「インストゥルメント」と「プラットフォーム」に日本語表記揺れがあり、「フローティング・インストルメント・プラットホーム」などの表記も考えられる。また、通称としては、頭字語に由来して「FLIP Ship」、あるいは、そこから転じて「宙返り船」「"ひっくり返り"船」を意味することになる「Flip Ship」の愛称もある。 居住空間がある従来型の船尾部と、細長い船首部が主な構造物となっている。この船を真上から見れば、ちょうど「ブラシを上に向けて置いた歯ブラシ」のような形状をしており、ブラシにあたる部分が船尾部、柄にあたる部分が船首部で、船首部は船尾部に近いところだけ(これも歯ブラシと同じように)最も細くなっている。 船首部はチューブ構造になっている。その、チューブ構造になっている部分のうち、船尾部に近い長さにして4分の1ほどはチューブ内が機械構造物で埋まっているが、それより先はフロート構造(浮体構造)の空洞になっており、ここに注水することで重心がフロート構造部に移り、船尾部が水面上に持ち上がる仕組みになっている。 航行する際は普通の船と変わらない姿勢であるが、調査を行う際には、船首を水面下に沈め、水底に向けて船体がひっくり返っているかのような姿勢をとり、つまりは、水面に対して船体が垂直に立ち、船尾部だけを水面上に残した状態になる。5階建てのビルに相当する長さ(垂直位では高さ)がある船尾部の構造は、天地が180度回転した状態に対応しており、4階建ての建築物と同じようなパーティションが組まれているのを基礎として、甲板・扉・梯子・洗面台・便器は水平位用と垂直位用の2通りが設置されているほか、棚などそれ以外の設備も船の姿勢に合わせて回転する仕掛けになっている。垂直位の時(水面に対して垂直になっている時)、水面に接しているのは細いチューブ状の部分だけであり、海のうねりや波が通り過ぎても非常に小さい力しか伝わらないため、通常の船に比べて非常に安定したプラットフォームを形成することができる。 半潜水式重量物運搬船の作業原理 SSHL ミサイル駆逐艦「コール」を甲板に載せようとしている「ブルー・マーリン(英語版)」/ 2000年撮影。 ミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド」を甲板に載せて移送中の「トランスシェルフ」/ 2018年撮影。 無積載の状態で寄港中の半潜水式重量物運搬船 / マルタはバレッタのグランド・ハーバーにて2005年撮影。
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