うき‐ぼり【浮(き)彫(り)】
読み方:うきぼり
1 平面に絵・模様・文字などを浮き上がるように彫ること。また、その彫刻。高浮き彫り・薄浮き彫りなどがある。浮き上げ彫り。うけぼり。レリーフ。
うきぼり【浮彫】
レリーフ
(浮彫り から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 10:12 UTC 版)
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レリーフ(英: relief、仏: relief ルリエフ)あるいは浮き彫り(うきぼり)または浮き彫り細工(〜さいく)は、美術の技法である。
平面を浮き立たせるように彫りこむ、もしくは平面上に形を盛り上げるように肉づけして制作する彫刻の一種で、芸術品のほか、肖像、地図、硬貨、家具や建築物の外装などに使われる。
種類
その彫りの深さにより、素材を少し掘り込んだだけのほぼ平らなローレリーフ(浅浮き彫り)、彫刻と同じくらいの立体感があるハイレリーフ(高浮き彫り)、その中間の中浮き彫り、超薄肉浮き彫りのスキアッチャートに分かれる[1]。
沈み彫り (sunk relief) は、古代エジプトで多用された技法で、背景部分を掘り下げない。人物は、大きな段差で背景から沈んで見える(sunk は sink(沈む)の過去分詞)。
凹み彫り (くぼみぼり、counter-relief) は、背景を掘り下げないのは同じだが、雌型[注 1]のように凹凸が実物と逆転している。なお英語では counter-relief だが、ウラジーミル・タトリンの技法もそう呼び、日本語で「カウンターレリーフ」はそちらを指すのが普通である。
- 各彫りの作例
三美神像。ハイレリーフの例。
乃木希典の肖像。ローレリーフの例。
アメンホテプ4世夫妻の像。沈み彫の例。
ルカ・デッラ・ロッビアが制作した『カントリア』。
製法
製法はノミなどで素材を削ることにより像を上がらせる。
陶磁器では、模様を彫り出す浮彫りと、逆に模様を貼り付ける貼花の二方法がある。後者の代表がウェッジウッドのジャスパーウェアである。
テクノロジーの発達した現在は、ハンディタイプのグラインダーなどが登場し、電動工具で削ることが多い。また、刃先工具の進歩からガラス板にも彫刻を施すことができる。
歴史
後期旧石器時代にはすでにレリーフが作られており、約3万7000年前のアブリ・カスタネに施された外陰部のレリーフ[2][3]や、約2万5千年前のローセルのヴィーナス[4]などが発見されている。紀元前9千年頃のギョベクリ・テペには数多くの動物などがレリーフとして施されている[5]。
レリーフは、古代ギリシア、古代ローマにおける芸術として全盛期を迎えた。また、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス期のレリーフも高い技術で制作された。フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂にあるロレンツォ・ギベルティのレリーフや、ルカ・デッラ・ロッビアのレリーフは美術史の観点からも技術的観点からも傑出している。

現在、世界最大のレリーフは、アメリカのジョージア州にあるストーン・マウンテンに施された、南北戦争における南軍の司令官ジェファーソン・デイヴィス、ロバート・E・リー、ストーンウォール・ジャクソンのレリーフで、アイダホ州出身の彫刻家ガットスン・ボーグラムにより、1923年から1972年にかけて制作された[6]。
脚注
注釈
出典
- ^ “レリーフ”. 現代美術用語辞典 大日本印刷【artscape】. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “Context and dating of Aurignacian vulvar representations from Abri Castanet, France”. PNAS (2012年5月14日). 2022年11月25日閲覧。
- ^ “Abri Castanet Engravings”. Art Encyclopedia. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “The Laussel Venus”. Musée d'Aquitaine. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “Göbekli Tepe”. UNESCO. 2022年11月25日閲覧。
- ^ “Memorial Carving”. Stone Mountain Park. 2022年11月25日閲覧。
関連項目
浮彫り
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『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』 主要祠堂は、ヒンドゥー教の叙事詩『ラーマーヤナ』および『マハーバーラタ』の物語を伝える浮彫り(レリーフ)により装飾されている。物語の浮彫りの壁面は、3基の祠堂の回廊の欄干内壁に沿って刻まれている。 欄干の壁面の説話は、左から右に描写される。物語は東の入口に始まり、参拝者は左に向けて祠堂の回廊を時計回りに周回する。これは聖所を右手にしながら時計回りに移動する巡礼者の周行の儀礼である右饒(プラダクシナ)に従っている。ラーマーヤナの物語は、シヴァ祠堂の欄干より始まり、ブラフマー祠堂まで続く。また、ヴィシュヌ祠堂の欄干には、マハーバーラタの物語を描いた浮彫りの壁面がある。 ラーマーヤナの浮彫りには、ラーマの妻シーターがラーヴァナに誘拐された物語の描写などが見られる。ヴァナラ(猿)の王スグリーヴァやハヌマーンは一軍を率いてラーマを助け、シーターを救出する。この物語は、照らされたプランバナン寺院複合体の西側にあるラーマヤナ野外劇場などで演じられるラーマヤナ舞踏においても示されている。 壁面の彫像 説話の壁面を隔てて回廊沿いの祠堂壁には、デヴァター(英語版)(神像)や賢者バラモン(ブラフミン、梵: brahmin)の彫像や浮彫りが装飾されている。方位の護世神ローカパーラの彫像はシヴァ祠堂に見られ、ヴェーダを編纂した賢者バラモンはブラフマー祠堂壁に刻まれている。ヴィシュヌ祠堂にはデヴァターの男神像と両側に2体のアプサラス像の見られる彫像がある。 これらの祠堂の外壁下面には、カルパタルの樹(カルパヴリクシャ(英語版)、如意樹)を描いた2面に挟まれたシンハ(獅子)の彫像などが連なり、狭い隙間に装飾されている。ヒンドゥー教や仏教の信仰により願いを叶えるこれらの聖木の両側には、キンナラ(緊那羅)、もしくは鳥、鹿、羊、猿、馬、象などの一対の動物が描かれる。カルパタルの樹と間にあるシンハの装飾意匠(モチーフ)様式は、プランバナン寺院祠堂群において典型的なものであることから「プランバナン・モチーフ」(英: “Prambanan motif”)と呼ばれる。 方位神ローカパーラの彫像(シヴァ祠堂) デヴァター(英語版)の男神像と両側のアプサラス像(ヴィシュヌ祠堂)
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