正規性の条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 00:44 UTC 版)
「クラメール・ラオの限界」の記事における「正規性の条件」の解説
クラメール・ラオの不等式が成り立つための確率密度関数 f ( x ; θ ) {\displaystyle f(x;\theta )} と推定量 T ( X ) {\displaystyle T(X)} に関する2つの弱い十分条件は、次のとおりである: フィッシャー情報量が常に定義されていること。言い換えると、次式を x {\displaystyle x} で積分した値が有限値として存在すること。 ∂ ∂ θ ln f ( x ; θ ) {\displaystyle {\frac {\partial }{\partial \theta }}\ln f(x;\theta )} T {\displaystyle T} の期待値について、 x {\displaystyle x} についての積分と、 θ {\displaystyle \theta } についての偏微分が交換可能である、つまり ∂ ∂ θ [ ∫ R T ( x ) f ( x ; θ ) d x ] = ∫ R T ( x ) [ ∂ ∂ θ f ( x ; θ ) ] d x {\displaystyle {\frac {\partial }{\partial \theta }}\left[\int _{\mathbb {R} }T(x)f(x;\theta )\,dx\right]=\int _{\mathbb {R} }T(x)\left[{\frac {\partial }{\partial \theta }}f(x;\theta )\right]\,dx} が、右辺が存在する限り成り立つこと。 この条件は、以下のいずれかの場合が成り立つことをもって確認されることが多い: 関数 f ( x ; θ ) {\displaystyle f(x;\theta )} は、 θ {\displaystyle \theta } に依らない有界な関数の台(非ゼロとなる定義域)を持つ。 θ {\displaystyle \theta } に依らない可積分関数 g ( x ) {\displaystyle g(x)} が存在して | T ( x ) ∂ ∂ θ f ( x ; θ ) | {\displaystyle \left|T(x){\frac {\partial }{\partial \theta }}f(x;\theta )\right\vert } を上から抑える。つまり、 | T ( x ) ∂ ∂ θ f ( x ; θ ) | ≤ g ( x ) ( ∀ x , ∀ θ ) , ∫ R g ( x ) d x < ∞ {\displaystyle \left|T(x){\frac {\partial }{\partial \theta }}f(x;\theta )\right\vert \leq g(x)\quad (\forall x,\forall \theta ),\quad \int _{\mathbb {R} }g(x)\,dx<\infty }
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