樫樽(かしだる)
酒類を熟成させる目的で使われる、木製容器の一種。ウイスキーやブランデーなどのダーカー・スピリッツや、ワイン、シェリーなど西洋系の醸造酒は伝統的に樫樽に入れて熟成させている。樽材に使われるカシ(ブナ科)は寒冷地に自生する喬木で、わが国ではドングリの木として親しまれている。酒類の熟成用の樽材に使われるカシの木は寒冷地産で木目のつまったもの、すなわち年輪の緻密なものが良いとされている。このようなカシの木を木筋に添って裂き割り、自然乾燥後、水蒸気を当てながら樽型に湾曲させ、これらを金属製の輪(たが)でまとめることにより樽をつくり上げる。すなわち、近代的な工作機械を使うことなく、斧と木槌だけで手づくりする伝統的な製法が生かされている。焼酎の熟成には新しい樫樽よりむしろ他の酒に一度使われた古樽の方が香りが温和でよいとされている。
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