明暗縁染付
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 15:57 UTC 版)
『明暗縁染付』(ふたおもて えにしのそめつけ)は1927年(昭和2年)10月に大阪中座で上演された。 「佐々の悪魔、瀬戸の窯神」という副題が付けられたこの芝居は、平戸松浦藩の御用窯に偽名で潜入し窯元の娘・千鶴を娶った民吉が平戸焼の技法を盗んだことで窯元の仁左衛門と息子の小助が永牢となり、村人から民吉の踏み絵を踏みつけるように迫られて泣き崩れる千鶴を描いた序幕と、民吉の子・嘉三を連れて瀬戸を訪れた千鶴と民吉の永遠の別れを描いた第2幕からなる。大森痴雪が脚本を書き、民吉を初代 中村雁治郎、千鶴を中村福助、民吉の本妻・お品を三代目 中村雀右衛門が演じた。 当時低迷していた瀬戸では宣伝効果を狙って舞台で使用する壺などの提供を行なった。しかしこれが前述の民吉と現地妻のイメージを固定したとも言える。なお、この芝居は話の筋を若干変えられるなどして大衆演劇として各地で興業され、本来とは違う民吉のイメージをさらに拡めることとなった。
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