早期擬クーフィー様式の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:55 UTC 版)
「擬クーフィー様式」の記事における「早期擬クーフィー様式の例」の解説
クーフィー体を模倣した最初の例は8世紀のマーシア王オファ (在位757年–796年) がイスラム圏のディナールを模倣した金貨を製造した例とされている。774年にアッバース朝第二代カリフマンスールが鋳造したディナールの模倣品であり、コインの裏面には「Offa Rex」と刻印されている。貨幣に刻印されたクーフィー体のアラビア文字に多くの間違いを含んでいることから、当時の貨幣鋳造士はアラビア語を全く理解していなかったことが分かる。この貨幣は、当時イスラム教国家であったアンダルスとの貿易を行うため、もしくはオファがローマに約束した年間365マンクスの支払いのために鋳造されたと考えられている。 10世紀半ば、アマルフィやサレルノなどの南イタリアより、アラブ地域で流通していた貨幣を模倣したタリ(英語版)と呼ばれる貨幣が作られたが、擬クーフィー様式ははっきりとした形では見られない。 大英博物館に収蔵されている13世紀フランスのリモージュ琺瑯で制作されたチボリウム(英語版)にはクーフィー体の文字とイスラーム建築を模倣したひし形のデザインが施されている。擬クーフィー様式はリモージュで装飾様式として定着し、アキテーヌ地域圏で長期間にわたって使用されていた。 リモージュ琺瑯のチボリウム(英語版)に見られる擬クーフィー様式、ルーヴル美術館収蔵。 擬クーフィー様式を取り入れて染付されたファイアンス焼の作品「アルバレッロ(英語版)」, トスカーナ州, 15世紀後半
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