提案への批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/20 01:41 UTC 版)
「国際天文学連合による惑星の定義」の記事における「提案への批判」の解説
提案された再定義は、曖昧だという批判を受けた。天文学者のフィル・プレイトとNCSEのライターであるニック・マツケはどちらも、なぜ彼らがこの再定義を良いものとは考えないかについて書いている。それは、恒星の周りを公転するものとして惑星を定義しており、恒星系から弾き出されたものや恒星系とは無関係に形成されたもの(自由浮遊惑星)は、その他の条件を全て見たしていても惑星とは呼べないことになる。同じような状況は、既に惑星系から弾き出された「衛星」にも当てはまっており、その呼び方が広く受け入れられていても衛星と呼ぶことはできない。同様に、この再定義は、惑星と褐色矮星の間を差別化していない。この違いを明らかにする試みは、後日に残されることになった。 二重惑星の定義についても批判がある。現在、月は地球の衛星として定義されているが、地球と月の共通重心は、徐々に外側に移動し、最終的には、両方の天体の外側に位置することがありうる。再定義によると、この変化によって、月は惑星の地位に着くことになる。ただし、この状態になるまでには数十億年を要し、これは多くの天文学者が、太陽が赤色巨星に膨張し、地球や月を破壊すると予測する時期よりずっと後である。 2006年8月18日のサイエンス・フライデーのインタビューで、マイケル・ブラウンは、科学的な定義の必要性にさえ疑問を呈し、次のように述べた。「私がいつも使うアナロジーは、「大陸」という用語だ。ご存知のように、「大陸」という用語には科学的な定義がない。それはまさに文化的な定義である。地理学者は賢いことにそれを放っておき、「大陸」に厳密な再定義を与えようとはしない。」 8月18日、オーウェン・ギンガーリッチは、彼が受け取った書簡は、提案に賛成のものと反対のものが同程度の数だったと述べた。
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