拡充期とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書

拡充期とは? わかりやすく解説

拡充期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 00:39 UTC 版)

中華民国空軍」の記事における「拡充期」の解説

1928年10月全国軍政統一され国民革命軍総司令部航空処は軍政航空署に改編された。飛機隊2個と水面飛機隊1個を保有していたが、後に航空隊改称され、5個隊に拡充された。しかし国民政府による統治はまだ不安定で、東北空軍広西空軍など一部有力な軍閥空軍中央空軍編入され勢力温存していた。中でも中原大戦では西北軍空軍中央空軍中国史上初の空中戦展開するなど、大きな脅威となった加えて1931年5月陳済棠広州国民政府第5次広東政府)を樹立する張恵長、黄光鋭、陳慶雲中山航空隊以来古参軍人離反して空軍に加わるという痛手負った。これらの私設空軍は、海外航空専門家からは「阿片空軍」と呼ばれた1928年10月国民政府空軍兵力中央人員養成するため、南京中央陸軍軍官学校内に航空隊設立。のち杭州の筧移転し中央航空学校」を称する教育はジョン・ジュエット元大佐率い米国軍顧問団担当し厳格な審査基準既存パイロット容赦なくふるいにかけられた。 第一次上海事変では、日本海軍空母加賀」「鳳翔艦載機3度空中戦を展開。最初空中戦では双方不慣れだったため戦果はなく、2回目アメリカ人義勇兵のロバート・ショート(英語版)が加賀航空隊生田乃木次撃墜されるが、3回目石邦藩ほか1名が加賀航空隊一三式艦上攻撃機2機を撃墜した当時戦闘機はV-65Cコルセア英語版)やボーイング218爆撃機ユンカース W33英語版)やユンカース K47(英語版)等を使用していた。 事変後の1932年春には8個隊にまで拡大するが、同年8月に4個に縮小1933年、轟炸(爆撃)、駆逐偵察の3隊が増設され、同時に航空教導総隊が編成された。 1933年満州事変拠点追われ旧東航空人員器材接収1933年2月航空署の全職員空軍階級変更空軍階級は、例え中校空軍上尉中将空軍上校というように本来よ2階低く設定されたが、待遇自体は元の階級と変わらなかった。また航空部隊整備され飛行人員の一部中央航空学校高級班再教育を受け、一部の非軍事学出身者中央陸軍軍官学校軍事訓練受けた後、中央航空学校送られた。 1933年、カーチス・ホークローニング水陸両用機アブロ621練習機英語版)を購入するも、福州揚陸されていたところで福建事変起こり19路軍に鹵獲され広東空軍の手渡った。これらの航空機中央空軍空爆の際破壊されたが、多く無傷のまま鹵獲されており、あらかじめ広東空軍人員中央軍買収されていた可能性もある。翌年12月1日には陳銘枢中華共和国残党中国共産党合同福建第一次人民大会開催したため、群衆爆弾投下した。また同時期、江西省剿共作戦にも投入され長征の列への偵察空爆活用された。朱徳左腕負傷を負わせたものの、決定的な損害与えるには至らなかった。 1934年5月航空署は航空委員会改編され、軍政部から独立して軍事委員直属となった蔣介石委員長、弁公庁主任に陳慶雲(のち周至柔)が就任し、その下に5処17科の部署設けられた。航空隊は8個に拡大した。第1隊(隊長:邢剷非)と第2隊(隊長王勳)は轟炸隊であり、第3隊(隊長張有谷)、第4隊(隊長劉義曾)、第5隊(隊長楊亜峰)の3隊は偵察兼轟炸隊、第6隊(隊長:王伯嶽)は偵察隊、第7隊(隊長:王天祥中国語版))と第8隊(隊長高志航)は駆逐戦闘)隊であった。また同時期、ジュエットの米軍顧問団に代わってシルヴィオ・スカロニ(英語版少将、ロベルト・ローディ(英語版准将150からなるイタリア軍顧問団招聘し、イタリア式教練ベースとする洛陽分校1936年開校した1935年、第9から第14隊が編成されそれに伴い各地飛行場急務となった日本軍調査では、開戦直前の主要飛行場数は華北37華中49華南22奥地32となっている。各飛行場規模用途戦略ごとに区分けされており、平時航空隊駐留する主要都市の「第三飛行場」、有事爆撃機隊が出撃拠点戦闘機隊が待機地として展開する第二飛行場」、そして最前線の「第一線飛行場」に区分されていた。第三飛行場該当する南京大校機場中国語版)、南昌青雲譜飛行場中国語版)、漢口王家飛行場杭州の筧飛行場西安の西関飛行場中国語版)(1937年より)、広州天河飛行場1936年より)、漢中などの大型飛行場1935年6月以降空軍総站に指定され航空隊補給修理などのバックアップ以外にも近郊第二線、第一線飛行場管理運営任されるうになる。站長は主に軍閥出身の元パイロットが任ぜられ、下は少尉から始まり、総站クラスとなると少校中校クラスがなった第二飛行場信陽玉山など、第一線飛行場洛陽金谷飛行場、周家口飛行場などが挙げられる1934年8月、筧飛行場英語版近隣中央杭州飛機製造廠を、南昌青雲譜飛行場近隣中央南昌飛機制造廠を設立イタリア軍顧問団技術者招聘し、指導が行われた。 また、北伐直後より国民政府防空体制在り方模索しており、1932年高射砲輸入して高射炮班を設立1934年1月1日高射砲隊と人民防空研究班合併させ筧中央防空学校設立1935年12月南京光華門付近に移転)、同卒業生年内には高射砲部隊大隊規模にまで拡充した。1934年11月12日南京首都防空演習実施されると、防空網拡充民間団体による防護団組織求められる浙江省では保安司令部会と中央航校により防空監視哨設置が行われ、また1936年春に中央防空学校にて防護団組織同年秋には「各地防護団組織規則」が制定された。1935年9月より米国英国などの投資のもと、南京上海無電台を設置するなど防空網整備取り掛かり、その設置運営は陳一白藍衣社人員中心となって行われたまた、中央航校では崔滄石らにより陸軍との連携作戦のため陸空連絡専門員育成なされた同年11月には京三市合同防空演習実施、これをきっかけとして杭州防空司令部設立される日中戦争勃発1937年前後各省にも防空司令部省会防護団設置が行われた。勃発時点では浙江省だけで防空監視哨78箇所省会防護団は8個区団の下に32分団、また高射砲部隊陸軍砲兵41団、第42団の2個団を保有していた。このため日本軍からは航空作戦基盤比較整備されいたもの見られた。 1936年5月発生した両広事変中国語版)の折、藍衣社CC団により西南派・新広西派所有する広東広西空軍買収工作が行われ、両空軍パイロット中央空軍多く帰順したまた、同時期に雲南山西航空処、四川など各地残存していた旧軍閥の私設航空隊接収海軍福建及び青島海軍航空隊をも吸収したことで、中央空軍航空戦力1937年までに8個大隊にまで拡大したまた、航空機刷新図られたが、購買担当した財政部内部派閥闘争前述軍閥急速な吸収機種方向性統一できず、それぞれ軍事顧問団招聘したアメリカ合衆国のカーチス・ホーク英語版)(新ホーク)、カーチス・シュライク、B-10やP-26やイタリアブレダ Ba.27(英語版)、フィアット CR.32のほか、ドイツハインケル He111Ju 52など様々で、合計314であった開戦直前1937年当時編成および各隊使用機以下の通り1937年時点中国空軍編成大隊隊長副隊長任務中隊隊長副隊長機種機数駐屯地第1大隊 曹文炳 孫仲 爆撃 第1中隊 賜禎 田相国 ノースロップ・ガンマ2EC(英語版) 9 南昌 フリート モデル7(英語版) 1 第2中隊 徐康良(中国語版) 粛起 ノースロップ ガンマ2EC 9 第2大隊 張廷孟 孫桐爆撃 第9中隊 謝郁青(代) 全正喜 ノースロップ ガンマ2EC 9 広徳11中隊 龔穎澄ノースロップ ガンマ2EC 9 第14中隊 黄正裕 ノースロップ ガンマ2EC 9 第3大隊 蔣其炎 王天祥中国語版戦闘 第7中隊 陳有維 カーチス・ホーク英語版) 9 句容 第8中隊天祥中国語版 ブレダ Ba.27(英語版) 2 フィアット CR.32 3 第17中隊 黄泮揚 金彬偉 ボーイング モデル281 104大高志航 鄧伯堅 戦闘21中隊 李桂丹 劉志漢 カーチス・ホーク 10家口22中隊 黄光漢 頼名湯中国語版) カーチス・ホーク 9 第23中隊 毛瀛初(中国語版李克元 カーチス・ホーク 9 フォッケウルフ Fw 44 1 第5大隊 丁紀徐 馬庭 戦闘24中隊 劉粋剛 カーチス・ホーク 10 楊州25中隊 胡庄如 董明徳 カーチス・ホーク 9 第28中隊 陳其光 陳瑞鈿 カーチス・ホーク 9 フォッケウルフ Fw 44 1 第6大隊 陳棲霞 李懐偵察 第3中隊 孫省三 彭亜秀 ダグラス O-2MC(英語版) 9 杭州 第4中隊 譚以徳 ダグラス O-2MC 9 南京 デ・ハビランド DH.60 2 杭州 第5中隊 五韶 ダグラス O-2MC 9 第15中隊 黄志剛 余平恩 フィアット CR.32 9 南京 カプロニ Ca.111(英語版) 7 第7大隊 譚寿 楊亜峰 偵察 第6中隊 金雯 范伯超 チャンス・ヴォートO3U-2(英語版) 9 西安12中隊 安家駒 沈延世 チャンス・ヴォートO3U-2 9 第16中隊王平 チャンス・ヴォートO3U-2 9 第8大隊 謝莽 爆撃10中隊 張之珍 韓錫倫 ダグラス O-2MC 6 南昌 サヴォイア・マルケッティ S.72(英語版) 6 第19中隊 黄普倫 ハインケル He111 6 第30中隊 石友信 李忠マーチン 139W 6 第9大隊 劉超然 張仲 攻撃26中隊 王漢勲 唐元良 カーチスA-12 シュライク 10 広徳27中隊 孟広倍 張旭カーチスA-12シュライク 10 独立中隊 偵察13中隊 逸儕 李英Bre.273 8 徐州 偵察18中隊一白 ダグラス O-2MC 9 広州 チャンス・ヴォートO3U-2 6 偵察20中隊源清 容章炳 チャンス・ヴォートO3U-2 9 漢口 戦闘29中隊 何經渭 鄧伯強 カーチス・ホーク 9 広州 カーチス・ホーク 3 偵察31中隊 鄧顕綱 陳晉 ダグラス O-2MC 9 西安 戦闘32中隊 張伯寿 韋一青 九一式戦闘機 9 南寧 爆撃34中隊 鄧堤 ウェストランド ワピチ英語版) 9 桂林 暫編大隊 陳有雄 連絡32中隊 ? 徐卓元 ダグラス O-2MC 25 嘉興 戦闘34中隊 周庭芳 カーチス・ホーク 偵察35中隊 許思廉 チャンス・ヴォートO3U-2

※この「拡充期」の解説は、「中華民国空軍」の解説の一部です。
「拡充期」を含む「中華民国空軍」の記事については、「中華民国空軍」の概要を参照ください。

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