担保責任と錯誤との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 22:59 UTC 版)
2017年の民法改正前から担保責任と錯誤の関係について議論があった。担保責任と錯誤の関係については両者は趣旨・要件を異にするとして選択的に主張しうると解する見解もあるが、担保責任の存続期間(2017年の民法改正後は売買の目的物の種類または品質に契約不適合がある場合の存続期間)が1年と短い関係上、通説は担保責任の存続期間終了後に錯誤無効(2017年の民法改正後は錯誤による取消し)を主張しうるのは民法の趣旨に反するとして担保責任の要件を満たす限り錯誤の規定は排斥される(瑕疵担保責任優先説)とみていたが、判例は要素の錯誤が成立する場合には瑕疵担保責任は排斥されるとした(錯誤優先説。最判昭33・6・14民集12巻9号1492頁)。ただし、判例は実質的には選択可能説の立場をとっているという見解もある。 2017年の民法改正後は錯誤の効果が無効から取消しになり、取消権の期間制限の規定(126条)が適用されることから(2020年4月1日施行)、選択可能説の問題点が緩和されるという指摘がある。
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