担保権の負担がある場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 22:59 UTC 版)
旧567条は売買等の有償契約の目的物が、他の占有を伴わない担保物権(先取特権・抵当権)の目的となっているため、その実行により相手方(買主)が権利を失った場合の担保責任について定めていた。法文上は先取特権と抵当権が挙げられているが、質権や仮登記担保権が設定されていた場合も含まれる。この類型では担保権の行使により買主がその所有権を失ったことが要件とされるが、これは担保権が設定されているだけでは直ちに不利益を生じるものではないためとされる。なお、本来的に売主は債務履行によって担保権の負担を消滅させ買主の所有権を保全すべきものであること、被担保債務の弁済は相手方が悪意の場合にも当然に予期していたはずであること、悪意でも担保権が実行されない限り用益の妨げにはならないことから旧567条の担保責任には原則として善意・悪意の区別はない。 契約解除権 相手方(買主)は契約の解除ができる(旧567条1項)。 費用償還請求権 担保権実行により所有権を失うことを防ぐために買主が費用を支出した場合は、買主は費用の償還請求を請求できる(旧567条2項)。 損害賠償請求権 相手方(買主)は損害賠償を請求できる(旧567条3項)。 期間制限の問題 早期に迅速な処理が必要とされないこともあり期間制限については特に定められていなかった。
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