抗癌剤としての可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 09:21 UTC 版)
「ネルフィナビル」の記事における「抗癌剤としての可能性」の解説
2009年以降、ネルフィナビルの抗癌剤としての可能性が検討されている。培養(in vitro )中の癌細胞にネルフィナビルを作用させると、様々な種類の癌の成長を抑制し、細胞死(アポトーシス)を引き起こす事が出来る。ネルフィナビルを前立腺や脳の腫瘍を持つ実験用マウスに投与した処、腫瘍の成長を抑制する事が出来た。細胞レベルでは、ネルフィナビルは癌の成長を抑制する為に複数の作用を発揮する。主な作用は、Akt/PKBシグナル伝達経路(英語版)の阻害と、小胞体ストレスの惹起およびそれに続く異常タンパク応答(英語版)の2つであると考えられている。 米国では、ネルフィナビルがヒトにおける癌治療薬として有効であるか否かを確認するために、約30の臨床試験が実施されていた。これらの臨床試験の中には、ネルフィナビルを単独で使用するものも、既存の化学療法や放射線療法など、他の癌治療法と併用するものも含まれていた。 2021年4月現在、癌の第III相臨床試験は登録されていない。
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