抗がん剤との併用効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:17 UTC 版)
臨床の現場でいわゆる健康食品が用いられる場合は、通常の治療と併用されることが多く、特にがん治療においては、化学療法と共に用いられる。AHCCについても抗がん剤との相乗効果を目的として使用されている。 北海道大学名誉教授の細川真澄男らは、化学療法によって起きる抗腫瘍免疫反応の抑制を回復させることを目的として、乳がん移植したラットにAHCCとUFT(テフガールとウラシルの合剤)を併用し治療効果を検討した。その結果、NK細胞とマクロファージが活性化され、ラット乳癌の原発巣の増殖と転移を抑制し、それはAHCCがPSKやレンチナンなどのBRMと同様に、宿主の自然免疫防御機構を回復させたかあるいは増強させたことによると報告している。 そして、テキサス大学付属病院MDアンダーソンがんセンターのJudith A. Smithらは、AHCCの肝臓代謝酵素に対する影響を調査した結果、抗がん剤などの他剤の代謝に与える影響の可能性は低いと結論付けている。また、AHCCとドキソルビシン併用における相乗的ながん細胞増殖抑制作用を示唆した。 このようにAHCCには、がん化学療法の補助療法として、その治療成績を向上させる作用が期待されている。エール大学 Zhinan Yinらは、自然免疫と獲得免疫の両方にAHCCが関与すると報告しており、細胞性免疫はもちろんのこと、自然免疫を増強することにより、抗がん剤の活性を補完している可能性が示されている。
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