「批准(ひじゅん)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

批准とは? わかりやすく解説

批准

読み方:ひじゅん

批准とは、批准の意味

批准とは、内容確定している条約について条約締結する権利をもつ国家機関確認同意するということである。わかりやすく説明すると、条約に対して、国が行最終的な確認同意のことである。批准の読み方は「ひじゅん」である。批准の「批」は国の主権者による承認という意味である。また、「准」は是認容認承認するという意味である。英語では ratification表される

批准の類語

批准の類語として、条約など確定したときに、公文書代表者署名することを意味する調印や、事柄が正当または事実であると認めることを意味する承認がある。また、本人同意のもと、自分の名を書く署名も、類語一つである。事実認めることや、同意することを意味する語が類語として挙げることができる。

ひ‐じゅん【批准】

読み方:ひじゅん

[名](スル)《「批」は表奏の末尾天子可否決裁書き示す意。「准」は許す意》全権委員署名した条約対する、当事国における最終的な確認同意の手続き日本では内閣が行うが、国会の承認を必要とする。「通商条約を—する」


批准

読み方:ヒジュン(hijun)

条約対す国家最終的な確認の手


批准

読み方:ヒジュン(hijun)

条約の締結対す当事国最終的確認形式


批准

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 09:46 UTC 版)

批准(ひじゅん、: ratification)とは条約に拘束されることへの国家の同意[1]

通常は議会の同意を得て元首等が裁可あるいは認証、公布等を行うことにより国内において成立し、多国間条約においては国際機関等の寄託者[2]に批准書を寄託すること等により、また、二国間条約においては締約国間で批准書を交換すること等により[3]、確定する[4]日本では内閣が批准し、天皇認証し、国会の承認は必ずしも事前でなくともよい(日本国憲法第7条73条[1]

なお、アメリカ合衆国など連邦制を採用する一部の国では、国内法の制定にあたっても批准の用語が使用されることがあるが、本項では主に国家間の条約について解説する[注釈 1]

概要

ひとつの国家が国・地域をまたがる条約や協定に正式に拘束されることへの同意を表明する方法(総称して「締結」と呼ばれる)は、通常、個別の条約において規定されており、多国間条約の場合には、多くは、「批准」や「受諾」(acceptance)、「承認」(approval)や「加入」(accession)による[5]。また、二国間条約の場合は、批准、受諾、承認、加入のほか、公文の交換[6]による場合もある[3]。中でも、批准は署名、議会における承認、元首等による裁可・認証、及び、批准書の寄託を経る厳格な手続きであるため、重要な多国間条約には、条約に未署名の国(条約の交渉に参加しなかった国)に対して加入による手続きを認めているほかは、批准によらなければならないとしているものも多い(例:ジェノサイド条約欧州人権条約[8]社会権規約自由権規約ウィーン条約法条約包括的核実験禁止条約)。こうした条約は、条約に署名した国については、批准書とよばれる国家の同意や確認を示す文書を作成し、この文書を寄託または交換することによって、はじめて当該国について条約の効力が生じることとなる。

古くは外交権君主の元に集約されており、この時代の締結は君主による条約内容の確認行為であった。大日本帝国憲法において、条約の締結が、帝国議会ではなく天皇の諮詢機関である枢密院による審議を経た背景には、条約締結権が天皇(実際には天皇が派遣した全権代表)にあると考えられていたことがある。締結が議会を経るようになったのは、アメリカ合衆国憲法において、行政府が派遣した全権代表が署名した条約内容を国民の代表である議会が国家・国民のために再検討するために議会による批准手続きを導入したことに由来している。

多国間条約の場合、締結した国の数が一定数を超えた後に発効すると定めているものが多い。発効後も、署名のみを行い未締結の国は条約に拘束されない。

上述のように、批准手続きのうちいくつかの手続を省略した受諾、承認、加入による締結を認める条約もあるが、当然ながら、締約国の国内法が簡略化された手続による条約の締結を認めない場合は、そのような条約でも締約国が国内法において定めた手続に則って処理される。また、条約に代えて、行政機関である政府間の取り決めであって、議会による承認等の煩雑な締結手続きを要さない行政協定(政府間協定)[9]を締結する場合もある。

国別の規定

日本

日本国憲法下においては、条約の締結は内閣が行う(憲法第73条3号)。批准にあたっては「事前に、時宜によつては事後に」国会の承認を経ることが必要とされている。条約の批准について衆議院参議院が異なる議決をし両院協議会で成案が得られなかった場合、および衆議院で批准が可決されてから参議院が30日以内に議決をしなかった場合には衆議院の議決が国会の議決となる(衆議院の優越)。つまり、実質的には衆議院が可決すれば批准は認められる(自然成立)。国会による条約承認ののち、国事行為として天皇が批准書を認証し、国内に公布する。なお、大日本国帝国憲法(いわゆる明治憲法)の下では、批准の権限は枢密院にあった。

受諾との違い

日本国憲法は天皇の義務として、「批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。」を定めている(憲法7条)。なお外務省によれば、受諾については批准とは異なり天皇の認証を要しない[注釈 2][3][10]

英国

国内法の改正が必要な条約の場合は、イギリス政府大権の発動に基づき議会によって批准される。国内法改正の必要がない条約の場合は、ポンソンビー規則に従い、議会両院で少なくとも21日間提示されたのち批准される。

豪州

憲法の規定により条約は行政府の専任事項となっており、行政府は議会の関与なしに条約の批准を行う権利を保有し、またその義務を負う。ただし、憲法の規定(第51条)により施行法の制定には連邦議会の承認を必要とする。

米国

大統領の権限を定めた合衆国憲法の第2条第2項に基づき[11]、大統領は連邦議会上院による「助言と同意」(advice and consent) を経なければ条約を締結できないとされる。具体的には上院で2/3以上の単院決議 (simple resolution) が必要となる。換言すると上院には条約の批准そのものの権限はないものの、条約批准における大統領と上院の実質的な力関係において、「助言と同意」をどのように解すかが争点となっている[12]。その背景には、連邦議会委員長に付与された議事整理権がある。単院決議は法案 (bill) や両院合同決議 (joint resolution) と同様、議会に議題として提案されるが、委員長権限で審議せずにお蔵入りさせることができる (詳細は「アメリカ合衆国連邦議会#特徴」も参照)。建国以来200年間を集計すると、計1500件以上の条約を決議可決してきたのに対し、決議否決はわずか21件に留まっている。ところが少なくとも85件の条約は決議の審議投票に至らず、棄却されている[12]。また、一般的に連邦議会では会期をまたいでの法案審議は行われずに自動廃案となって翌期に再提出が求められるが、条約はこの例外であり、上院の外交委員会で協議を継続することができるため、最終的な批准まで数年を要することもある[12]。加えて、通常の法案可決は単純多数決 (1/2以上) なのに対し条約には2/3以上が必要なため、二大政党制をとる米国では超党派での多数派工作が必要となる。その結果、条約に反対の勢力が1/3を死守しようと引き延ばし戦術 (dilatory tactics) を使うことがある[12]。特に1876年~1900年には上院による否決が続出した反省を踏まえ[13][12]、大統領は共和党と民主党双方の上院議員から構成される条約交渉の代表団を任命し、批准の円滑化を図る傾向にある[12]

なお、通常の国内連邦法には上院および下院両方の過半数可決が必要とされるが、条約に関する決議に下院は関与しない。また、法的拘束力を持った通常の条約 (treaty) ではなく、法的拘束力はないが政治的拘束力のある行政協定英語版 (executive agreement) の場合は大統領の専任事項となるため、上院・下院ともに審議されない[14][12]

脚注

注釈

  1. ^ 国内で「批准」を使用する例として、アメリカ合衆国憲法および州憲法の改正やインドの憲法改正が挙げられる。詳細はen: History of the United States Constitutionおよびen: Amendment of the Constitution of India参照。
  2. ^ 2017年現在、「法律の定めるその他の外交文書」は、外務公務員法に規定された官吏の任免に関連する文書が該当するのみである。

出典

  1. ^ a b コトバンク - 批准”. 2022年7月29日閲覧。
  2. ^ 条約法に関するウィーン条約 (PDF) 第7部第76条、第77条
  3. ^ a b c 国会承認条約の締結手続 (PDF) 外務省
  4. ^ 条約法に関するウィーン条約 (PDF) 第2部第1節第16条
  5. ^ 条約法に関するウィーン条約 第1部第2条1(b)、第2部第1節第11条、第14条、第15条
  6. ^ 条約法に関するウィーン条約 第2部第1節第13条
  7. ^ Convention for the Protection of Human Rights and Fundamental Freedoms as amended by Protocols No. 11 and No. 14 Council of Europe
  8. ^ 欧州連合については加入を認めているが、その他の国については批准によらなければならないとされている(第59条)[7]
  9. ^ [1]
  10. ^ 条約の国会承認に関する制度・運用と国会における議論 ―条約締結に対する民主的統制の在り方とは― 、外交防衛委員会調査室(中内康夫)。
  11. ^ Constitution of the United States | Article 2 Section 2” [アメリカ合衆国憲法 第2条第2項] (英語). アメリカ合衆国上院. 2019年4月13日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g Treaties” [条約] (英語). アメリカ合衆国上院. 2019年4月13日閲覧。
  13. ^ 西川秀和 (早稲田大学社会科学総合学術院助手) (2005). “アイゼンハワー政権とブリッカー修正” (日本語). 早稲田大学大学院社学研論集 社学研論集. NAID 120002909809. http://www.american-presidents.info/aizehower.pdf 2019年4月13日閲覧。. 
  14. ^ U.S. Treaties & Agreements - The Process” [アメリカ合衆国の条約と協定のプロセス]. デューク大学ロースクール. 2019年4月13日閲覧。

文献情報

関連項目

外部リンク


批准

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 00:06 UTC 版)

アメリカ合衆国憲法」の記事における「批准」の解説

憲法の批准 日付投票賛成反対1 1787年12月7日 デラウエア30 0 2 1787年12月12日 ペンシルベニア46 23 3 1787年12月18日 ニュージャージー邦 38 0 4 1788年1月2日 ジョージア26 0 5 1788年1月9日 コネチカット128 40 6 1788年2月6日 マサチューセッツ邦 187 168 7 1788年4月28日 メリーランド邦 63 11 8 1788年5月23日 サウスカロライナ149 73 9 1788年6月21日 ニューハンプシャー邦 57 47 10 1788年6月25日 バージニア邦 89 79 11 1788年7月26日 ニューヨーク邦 30 27 12 1789年11月21日 ノースカロライナ邦 194 77 13 1790年5月29日 ロードアイランド34 32 1787年9月17日憲法草案フィラデルフィア連邦会議完成されその後ベンジャミン・フランクリン演説行って憲法発効されるには最低9つの邦の批准があればよいことになっているが、全邦一致呼び掛けた会議憲法草案連合会議提出し連合規約第13条に従って承認されたが、連合会議が各邦の批准を求めて憲法草案を各邦に提出し9つの邦の批准で有効となるという条件第13条反していた。結果的に13邦すべてが憲法草案批准したが、全ての批准が出揃ったのは憲法発布後であった。 多くの邦で批准を巡って激し議論が行われたが、特にニューヨーク邦では反対意見強かったアレクサンダー・ハミルトンは、この状況危機感抱きマディソンらと協力しておよそ7か月の間、毎週新聞匿名憲法草案擁護論文発表し続けた。これが後に纏められたものがザ・フェデラリストである。 その後ニューハンプシャー邦1788年6月21日、9番目の批准邦となった連合会議ニューハンプシャー邦の批准完了報せ受け取ると、新し憲法の下での運営始め日程決め1789年3月4日新政府新憲法の下で動き始めた1789年第1回合衆国議会は、アメリカ合衆国憲法権利章典 (Bill of Rights) と呼ばれる第1修正から第10修正付け加える件を審議し可決した。この修正は、1791年修正必要な数の州議会の批准を得て発効した

※この「批准」の解説は、「アメリカ合衆国憲法」の解説の一部です。
「批准」を含む「アメリカ合衆国憲法」の記事については、「アメリカ合衆国憲法」の概要を参照ください。

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批准

出典:『Wiktionary』 (2021/08/28 11:22 UTC 版)

名詞

ひじゅん

  1. 全権委員調印した条約国家承認最終的確定すること。

発音(?)

ひ↗じゅん

動詞

活用

サ行変格活用
批准-する

「批准」の例文・使い方・用例・文例

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