手すり子
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 14:56 UTC 版)
手すり子またはバラスター(baluster)は、共通の基礎の上に立ち、階段などの手すりや欄干の笠木(手でつかむ横板状の部分)を支持する柱状の装飾的構造で、角柱、円柱、回転体などの形状があり、石や木材、時には金属でできている[1]。"baluster" はOEDによると「石榴の花」を意味する balaustra に由来し、半分開きかけた蕾に形状が似ているためにそのように名付けられたという[2]。手すり子が複数並んだ欄干を英語では "balustrade" と呼ぶ[3]。以降で欄干と言っているのは全て手すり子を使った "balustrade" である。家具の足、シャンデリアの真鍮製の軸、銀の燭台など、回転体の形状の装飾を "baluster shaft" と呼ぶこともある。
- ^ 擬石製の手すり子は18世紀イギリスで開発された。鋳鉄製の手すり子は1840年代に発展した。
- ^ Paul Davies and David Hemsoll, "Renaissance Balusters and the Antique", in Architectural History 26 (1983:1-23, 117-122)
- ^ "A row of balusters surmounted by a rail or coping" 1644. OED; “AskOxford”. 2007年6月26日閲覧。
- ^ この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Baluster". Encyclopædia Britannica (英語) (11th ed.). Cambridge University Press.
- ^ Wittkower 1974
- ^ Davies and Hemsoll 1983:2.
- ^ "colonnette" は小型の円柱で、装飾的に用いられるもの
- ^ H. Siebenhüner は手すり子の歴史を調べ、その起源を1460年作のドナテッロの「ユーディットとホロフェルネス」の土台の形状だとした。(Siebenhüner, "Docke", in Reallexikon zur Deutsche Kunstgeschichte vol. 4 1988:102-107)
- ^ Davies and Hemsol 1983 では、絵画における空想上の古典建築の欄干の初出についても言及している。また、実際の建築における初期の欄干として、ルチアーノ・ラウラーナが設計した Palazzo Ducale, Urbino の正面を挙げている。(p. 6 and pl. 3j).
- ^ これらは Davies and Hemsol 1983:7f でも参照されている
- ^ Eglon van der Neer による絵にそのようなねじれたデザインの椅子が描かれている (1678)
- ^ Ebba Koch ("The Baluster Column: A European Motif in Mughal Architecture and Its Meaning" Journal of the Warburg and Courtauld Institutes 45 (1982:251-262) p. 252) によれば、「ラホール城にはシャー・ジャハーン時代の独立した手すり子は全くない」が、これら3つの建築には共通して欄干がある。
- ^ Ebba Koch 1982:251-262.
- ^ “AskOxford”. 2007年6月26日閲覧。
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