弾体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 03:12 UTC 版)
弾体に炸薬を充填するには、火工作業用の小さな台と漏斗を用いた。台は直径50mmで高さ85mm、漏斗は直径55mm、高さ36mmである。これら黄銅製の台および漏斗は、弾体に設けられた上面と下面のネジ部でそれぞれ接続する。台は、中央部に信管中心管と同様の大きさを持つ中心管が立っている。 作業にあたりまず弾体内部を清掃する。次に弾体を逆さにし、漏斗を弾体下面に、台を弾体上面に取り付ける。このとき弾体内部には信管体が本来ある位置に、台の中心管が通っている。この中心管にはあらかじめ専用のボール紙が巻かれており、作業後、中心管を抜いた際に炸薬が漏れないようになっている。塩斗薬75g、または茶褐薬65gを少しずつ漏斗の中へ入れ、弾体下面の、中心管と弾体の輪状の隙間から炸薬を入れる。入れた炸薬を棒で突き固めながら均質に填実する。終了後、弾体から漏斗を外し、中心管の上から炸薬がのぞく箇所に専用のボール紙を当て、炸薬が漏れるのを防ぐ。台を外し、弾体のネジ部を掃除する。この際に炸薬がわずかでもついていないよう注意する必要があった。掃除後、弾体底部に装薬室を結合する。このとき黒ワニスを塗り込んで防湿した。次にボール紙で覆われた中心部分を掃除してクッション(絨板)を装薬室上面に入れる。その上に起爆筒を静かに挿入する。次に管薬脱落防止の蛇ノ目鉄板を入れ、装着する。信管ネジ部に黒ワニスを塗り込んでから火道を信管中心管内に接合する。接触部にも黒ワニスを塗り込む。
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