引用
引用(いんよう)とは、他の作品や発言から一部を取り出し、自身の作品や発言に組み込む行為を指す。引用は、著作権法により規定されており、適切な引用であれば著作権侵害には当たらない。また、引用は学術的な論文やエッセイ、ニュース記事などで頻繁に用いられ、その情報の出典を明示することで信憑性を高める役割を果たす。 引用の方法は、直接引用と間接引用の2種類が存在する。直接引用は、元の文をそのまま引用する方法で、引用部分は引用符で囲む。一方、間接引用は、元の文の意味を保ったまま自分の言葉で述べる方法である。どちらの方法を用いるかは、作品の目的や文脈により異なる。 なお、引用はネット上でも頻繁に行われており、ブログ記事やSNSの投稿で他人の発言を引用することが一般的である。ただし、引用の際には元の発言者の意図を尊重し、誤った解釈や意図しない使われ方を避けることが求められる。
引用(いんよう)
自分の著作物の中に他人の著作物を引用することは、著作権侵害にならない。典型的な例が他人の論文の一部を引用して、これを批判するような場合である。ただし、引用が許されているのは、①公正な慣習に合致し、かつ②報道・批評等の引用の目的上正当な範囲内のものに限られる(32条)。
したがって、他人のコンテンツやプログラムを引用が、上記の引用の要件を満たしていれば、著作権侵害とはならない。ただ、上記の要件から考えると、画像の著作物の場合は、引用が成り立つ場合は、ほとんどないと思われる。漫画カット著作権事件(平成11年8月31日東京地裁H9(ワ)27869号)では、東京地裁は漫画であっても、著作権法で認められる引用がある場合があると認定した。なお、この事件は平成11年10月現在控訴中である。
(執筆:弁理士 松下正)
引用
引用と言えるためには、[1]引用する資料等は既に公表されているものであること、[2]「公正な慣行」に合致すること、[3]報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること、[4]引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること、[5]カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること、[6]引用を行う必然性があること、[7]出所の明示が必要なこと(複製以外はその慣行があるとき)(第48条)の要件を満たすことが必要です(第32条第1項)。
また、国、地方公共団体の機関、独立行政法人等が作成する「広報資料」、「調査統計資料」、「報告書」等の著作物については、[1]一般への周知を目的とした資料であること、[2]行政機関等の著作名義の下に公表した資料であること、[3]説明の材料として転載すること、[4]「転載禁止」などの表示がないこと、[5]出所の明示が必要なこと(複製以外はその慣行があるとき)(第48条)の要件を満たした場合は、刊行物への大幅な転載が認められています(第32条第2項)。
引用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/30 05:21 UTC 版)
引用(いんよう、英語:citation, quotation[注 1])とは、広義には、自己のオリジナル作品のなかで他人の著作を副次的に紹介する行為、先人の芸術作品やその要素を副次的に自己の作品に取り入れること。報道や批評、研究などの目的で、自らの著作物に他の著作物の一部を採録したり、ポストモダン建築で過去の様式を取り込んだりすることを指す。狭義には、各国の著作権法の引用の要件を満たして行われる合法な無断転載等[注 2]のこと。引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない[注 3]。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。本項では著作権法で認められる引用(狭義の引用)について記述する。
- ^ citationは他の参考文献を情報源として示すこと全般をいい、quotationはそのうち字句を一切変えずに行うものをいう。
- ^ 「転載等」とは、日本の著作権法では「転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)」(第39条)のこと。
- ^ 違法なものを含めて無断引用と呼んで禁じる権利者もあるが、引用は適法な無断利用の一態様のことなので「無断引用」という言葉はあり得ない (北村 & 雪丸 2005, p. 5) 。
- ^ 「量」については、様々な意見・見解がある:(例)『Q&A 引用・転載の実務と著作権法』北村行夫、雪丸真吾編 中央経済社 2005年 ISBN 4-502-92680-9 の pp.177 - 182 「主従関係」の要件で躓くのはなぜか
- ^ 長い引用文の後、地の文として自身のコメントを少し載せるだけでは正当な引用にならない[6]。
- ^ a b 転載等が禁止されていても、引用の要件を満たせば「引用」は可能である。
- ^ 放送・有線放送・「入力」による送信可能化による放送の同時再送信の場合は「受信機を用いた公の伝達」を含む。
- ^ 普通、どんなに書き直しても原文の創作性は残らざるをえない。
引用
「引用」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はことわざを引用しながら演説を始めた
- 先生はよく聖書から引用する
- 彼の分析はよく引用される
- 大統領はリンカーンのことばを引用して演説を締めくくった
- 有名な引用句集
- 文脈を無視して…を引用する
- 彼はワーズワースから数行引用した
- 彼女の作文はシェークスピアからの引用で引き延ばされている
- シェークスピアからの引用文
- 聖書を引用する
- 私たちの先生はよくシェークスピアの一節を引用する
- ミルトンから引用しよう
- 引用符で囲まれて
- 著者はチョムスキーの理論を数回引用している
- 彼の言葉は引用するほどのものではない
- 学者はそのフレーズの引用にコンテクスチュアリゼーションを備えた。
- その新聞は彼の言葉を間違って引用したと彼は述べた。
- 授賞式の最後に、彼はこのしばしば引用されるメッセージを残した。
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