き‐けつ【帰結】
帰結
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 14:39 UTC 版)
アイルランドは西ヨーロッパにおける最貧国から最富裕国となった。可処分所得が急上昇し、消費者の支出も急激に増加した。1980年代末には18%を記録していた失業率も、好景気の末期までには3.5%にまで下がり、産業労働者の平均賃金もヨーロッパで最も高い水準にまで上昇した。またこの間のインフレーション率も年5%近くとなり、賃金率はイギリスとほぼ同じであったが、アイルランドの物価は北欧諸国と同じ水準にまで上昇した。好景気の期間でも国債は発行されていたが、GDP が急上昇したため、国債発行額の対 GDP 比率は低下していった。 好景気によってもたらされた富はアイルランドの社会基盤や都市の近代化のための投資にあてられた。国家開発計画によって道路基盤が改善され、またルアス、ダブリン・ポートトンネルの新設やコーク郊外鉄道の延長事業が進められた。地方政府でも市内道路が改善され、スパイアー・オブ・ダブリンのような建造物が造られていった。 国外からアイルランドへ移住する人数は、アイルランドから国外に移住する人数を上回り、従来の傾向が逆転した。これによってアイルランドの人口動態が大幅に変動し、ダブリン、コーク、リムリック、ゴールウェイといった都市部では多文化主義が広まっていった。2007年の時点で、アイルランドの人口の10%は国外出身者が占めていると推定されており、とくにポーランドやバルト諸国出身者が多くを占め、これらの人びとの多くは小売業やサービス部門に従事している。アイルランド国内では若年層が地方を出て都市部に住み、働いている。アイルランドの好景気は起業やリスクテイクを促していったが、アイルランド資本での起業はわずかなもので、外国資本の企業がアイルランドの輸出の93%を占めている。 アイルランドでは、アメリカ資本主義の概念を受け入れたことにより、好景気で起こった大量消費がアイルランドの文化を破壊したと考える人が多い。アイルランドがイギリスと歴史的にも、経済的にも結びついていたことは批判の対象になってきたが、政治学者ピーダー・カービーは、アイルランドはアメリカ経済と結びついたことに対して当然のように満足していると指摘した。ところが左派からは、与党の「ベルリンよりもボストンに近い」とする方向性を批判する声があがった。ウィリアム・ウォール、マイク・マコーミック、ゲリー・マーフィーなどの作家も好景気に進められた開発を風刺する作品を発表している。 GDP をさらに成長させ、また長らく国外に国民が移っていったという歴史を持つアイルランドは移民を受け入れなければならないとして、アイルランドに流入してきた移民に対して多くの国民は積極的に働きかけていくべきだという考え方も多くのアイルランド国民に共有されている。 豊かになったことは若者の犯罪率の上昇につながったとし、とくに飲酒による暴力事件は購買力の上昇が原因だとする意見がある。しかしながら豊かになったことは同時に急速に平均寿命や生活水準も押し上げたとする意見もあり、それを示すものとしてエコノミスト誌による生活の質指数でアイルランドは1位とされている。
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