帯域フィルター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 15:40 UTC 版)
SMPTE-170Mでは色差信号として U = 0.925 E b − Y 2.03 {\displaystyle U=0.925{\tfrac {Eb-Y}{2.03}}} と V = 0.925 E r − Y 1.14 {\displaystyle V=0.925{\tfrac {Er-Y}{1.14}}} を合成しU信号は180度、V信号は90度遅れた色副搬送波で変調してクロマ信号を生成する方法を第一に挙げている。一方、I・Q信号でクロマ信号を生成する旧い1953年版規格の機器も継続使用が認められている。最終的に生成されるクロマ信号は両者の間に大きな違いは無いが、唯一Q信号の帯域制限を行うローパスフィルターの特性だけが0.5MHzで6dB減衰と狭くなっている(U・VおよびI信号は1.3MHzまで減衰量2dB以下、3.6MHzで20dB以上)。 そのため、受像機側では新旧どちらの規格で作られた映像信号が来ても問題ないように、色差信号復調前後のフィルター特性はQ信号のそれに合わせて狭帯域 (0 - 0.5MHz) で実装するのが安全であると考えられている。実際、音声搬送波がクロマ信号に与える妨害ビート 117 2 f h {\displaystyle {\tfrac {117}{2}}fh} 約920kHzを回避するため同時にコストダウンの目的もあって市販受像機ではクロマ帯域のフィルターを狭帯域の物のみで済ませており、I信号を広帯域1.3MHzまで復調している例は稀有である。
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