市内の街路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:04 UTC 版)
市内の街路名 市内の中心部など旧市街地では、街路名(通り)を基準とした住所表記が一般的に用いられている。 旧市街地では、平安京造成時の都市計画の名残で、東西・南北に通じる街路をもってあたかも碁盤の目状に区切られており、街路はすべて固有の名称がある。なお、街路名に付される「通り」の送り仮名「り」は付けないのが通例である。 「京都市内の通り」も参照 街路名を基準とした位置の表記 主に碁盤の目状に区切られた街路を持つ地域では、街路名の交差とその地点からの東西南北を指すことによって位置を示す方法が一般的に用いられ、町名や番地は省略するのが通例である。 先ず当該地が面している街路名を示し、次にその街路と直近で交差する街路名を示したうえ、その交差点から見た当該地の位置を東西南北で示す。北に向かう場合は上ル/上る(あがる)、南へは下ル/下る(さがる)、東西に向かう場合はそれぞれ東入(ひがしいる)、西入(にしいる)と表記する。一例をあげると、京都市役所の所在地は「京都市中京区寺町通御池上ル(公的には「上る」) 上本能寺前町488番地」となり、寺町通に面し御池通から北に向かった地点を「寺町通御池上ル」で表し、その後ろに町名の「上本能寺前町」と番地を示す。なお、この表記方法は1889年(明治22年)の市制施行時から市域であった場所の大部分 において、住民基本台帳や不動産登記などにおける公的な表記として用いられるものである。 交差点と交差点のちょうど中間地点では、どちらの交差点を基準とするかによって二通りの表記が可能である。また、原則では近い方の交差点を基準とするものの、大通りなどの大きな交差点がある場合はそれを優先することもある。 近年、街路名を用いた住所表記では、インターネットの地図サイトやカーナビゲーションで検索できないという理由で、街路名を含まない町名と番地だけで住所表記する事例も増えている。しかし町域が狭く、膨大な数の町名がある京都では、町名と番地だけの表記では直感的な場所の把握が困難である。例えば、「四条河原町」交差点周辺は繁華街として知られているが、町名の「下京区真町」では理解しづらい。 また、同一区内に多数組の同一町名が存在し、町名のみで場所を特定できないことも多い。例えば中京区内に「亀屋町」は5箇所あり、さらには下京区にも2箇所、上京区にも4箇所ある。このような同一町名は中京区内だけでも32組もある。これらは一つの町の飛び地ではなく、関係のないまったく別の町である。ただし、同じ町名でもそれぞれ郵便番号が異なるため、7桁の郵便番号を記載すれば、街路名がなくとも郵便物は配達される。 交差点名の表記 交差点の名称は、交差する2つの街路名を合成したものが用いられることが多い。どちらの通りを先に呼称するかについて定説は無く、たとえば「四条河原町」と「河原町四条」は同一地点を指す。 一方で、街路名を由来としない交差点名も少なくない。一例として、四条通と東大路通の交差点は「祇園」、西大路通と丸太町通の交差点は「円町」、今出川通と東大路通の交差点は「百万遍」と呼称しているが、これは都市計画による新たな街路が敷設された場合に、交差点名として伝統的な地名を採用したものが多い。
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