小説のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 23:28 UTC 版)
第1巻 人間世界滅亡前の最後の春。呪術組織「帝ノ月」の宗家である一瀬家の次期当主候補・一瀬グレンは、反目し合う呪術組織「帝ノ鬼」が牛耳る呪術師養成学校・第一渋谷高校に入学する。周囲はほぼ全て帝ノ鬼に組する敵という環境の中で、グレンは己の実力を隠して生徒や教師からの差別に耐えるが、帝ノ鬼の幹部クラスの子息である十条美十や五士典人、さらにはグレンがかつて幼い恋をした柊家の次期当主候補・柊真昼の許婚・柊深夜らはグレンに対し、関心を持つ。 その後、生徒同士の直接対峙により優劣を決める選抜術式試験の中、突如として第一渋谷高校は何者かに襲撃され、多数の死傷者が出る。襲撃を何とか切り抜けたグレンは、その背後で進行している帝ノ鬼と日本最大の呪術組織「百夜教」の争いを知る。 第2巻 襲撃被害による臨時休校から明けた第一渋谷高校で、グレンは相変わらず己の実力を隠す振る舞いを続けていた。しかし、第一渋谷高校の生徒会長・柊暮人によって、その試みは妨げられることとなる。柊家の中でも抜群の実力を有し、真昼と並ぶ次期当主の有力候補とされる暮人の下につくことを、グレンは余儀なくされる。 そんな中、ある日突然に上野地区が百夜教によって封鎖される。これまでに封鎖地区に送り込まれた帝ノ鬼の調査部隊はいずれも全滅しており、暮人に封鎖地区の偵察を命じられたグレンは、深夜・美十・典人と、己の従者・花依小百合や雪見時雨との混成チームで調査に赴く。 第3巻 暮人の配下に組み込まれる形となり、第一渋谷高校内でのグレンの立場は「柊暮人の直属の部下に選ばれた者」として劇的に改善した。しかし、百夜教と帝ノ鬼との間の抗争はますます激しくなり、伏せられていた抗争勃発の事実が、暮人を陥れて帝ノ鬼内に亀裂を生もうと目論む真昼の策略により、明るみに出てしまう。どのように振る舞えばとばっちりを極力受けずに済むのか、これまで事情を知らされていなかった者が大半を占める第一渋谷高校内には緊張が走る。 一方、深夜経由でグレンの元に百夜教から情報交換実施の申し出が届き、彼と深夜は待ち合わせ場所に赴く。しかし、そこで遭遇したのは吸血鬼に襲撃されてなすすべもなく壊滅する、百夜教戦闘員たちの姿であった。何とか吸血鬼の襲撃をかわしたものの、翌日に暮人から呼び出された場で、グレンは事態の背後で糸を引いている真昼への対処を求められる。日本でも第1位と第2位の呪術組織を単身相手にし、効果をあげつつある真昼が10年の時を経て再びグレンと交差する。 第4巻 一気に緊迫した事態を打開すべく、グレンは禁断の力である鬼呪装備に手を出す。鬼呪の威力は壮絶であり、第一渋谷高校を襲撃した百夜教の部隊を苦もなく駆逐していくが、制御が不十分な鬼呪の力を振るうことは、グレン自身の中の鬼にさらに力を与える行為でもあった。生命の危機にあった小百合や時雨、典人、美十を救うものの、グレンの人間としての理性が失われる寸前にあったところ、帝ノ鬼精鋭部隊を率いた深夜による封じ込めが何とか間に合う。その直後、より制御された鬼呪の力を自らに得た深夜・典人・美十らによりグレンの中の鬼も制御下に置かれる。一連の騒動の過程で、小百合や時雨、父・一瀬栄ら帝ノ月に属する者たちをこれまで以上に明白な形で暮人に人質に取られることとなったグレンは、それでも自分を選ぶ深夜・典人・美十と改めてチームを組む。 鬼呪研究の進展に伴い状況が急激に変化した結果、一旦手を組む形となった帝ノ鬼と百夜教に捜索され、さしもの真昼も追い詰められて始めていた。進退きわまりつつある真昼が、暮人より真昼殺害命令を受けたグレンの前に無防備な身を現す。 第5巻 その場で真昼を殺せず、逃げられたグレンは真昼の妹の柊シノアの元へ向かい、彼女を自宅へ案内する。一方、真昼は百夜教に監禁されている天音優一郎と出会い、百夜孤児院にて〈終わりのセラフ〉の実験体の1人を引き取る。しかし、〈終わりのセラフ〉に触れた事で真昼は吸血鬼に追われ、グレンはその現場に遭遇。真昼はグレンに「京都の吸血鬼の女王に」と伝え吸血鬼に攫われる。 真昼が攫われた後、帰宅したグレンは時雨と小百合に栄が人質に取られ、1ヶ月以内に真昼を殺さなければ処刑されることを伝える。真昼を追うため、合流した深夜・美十・五士と共に暮人の力を借りて京都へ向かう。その途中、ノ夜が真昼から預かっていたアシュラマルを入手、また襲撃に現れた吸血鬼の捕縛する。その頃、真昼は地下都市・サングィネムにて拘束される中、吸血鬼の女王クルル・ツェペシと対面を果たす。 第6巻 10月2日、グレンは真昼の暗殺には失敗したものの、アシュラマルの回収と吸血鬼の捕縛したことを暮人に評価される。その功績から栄の処刑を延期する動きがあったが、帝ノ鬼上層部によって見せしめのために栄を処刑され、グレンは一瀬家当主に就く。一瀬家当主着任の報告のため帝ノ鬼上層部に赴いたグレンは柊家当主・柊天利から当主着任を認められる。上層部会議帰宅後、待ち伏せていた斉藤と遭遇し、彼が第二位始祖であったことを知る。一方、真昼はクルルと取引を行い、吸血鬼となって地上へ帰還。鬼呪を完成させるために動き出す。 アシュラマルにより鬼呪の研究が進んで数ヶ月が経った頃、暮人の右腕として第一渋谷高校で鬼呪により暴走した生徒の討伐をしていたグレンは真昼と再会。彼女を拘束しようとチームメートらと協力し、一度は彼女を追い詰めるも、吸血鬼となった彼女に力技で敗北。真昼から四鎌童子をシノアに渡すように託される。 その数日後、〈終わりのセラフ〉の研究をしていた百夜教は、帝ノ鬼と吸血鬼によって壊滅。しかし、壊滅された渋谷の百夜孤児院に赴いたグレンはそこの院に襲撃の痕跡がないことに不審を抱き暮人に報告。その最中、暮人から二医の当主が真昼に寝返ったことを報される。そして、クリスマスの2日前、真昼から託された四鎌童子をシノアに渡すべく彼女の元を訪ねたグレンは寝返った帝ノ鬼の信徒らの襲撃を受ける。シノアに四鎌童子を手に取らせ、彼女を連れて深夜らと合流したグレンは、真昼に電話をかけ、柊家を裏切り協力することを伝える。 第7巻 真昼とコンタクトを取ったグレンらは裏切り者として帝ノ鬼の信徒らに追われる。その頃、鬼呪を手にしたシノアは精神世界にて四鎌童子と対面し、そこで真昼に守られていたことを知る。四鎌童子を手に目を覚ましたシノアはグレンらと離れ、グレン達は真昼の元を目指す。一方、天音優一郎は斉藤により百夜孤児院へと連れられていた。 同日、第一渋谷高校にて真昼は暮人と交戦。真昼は黒鬼・雷鳴鬼を持つ暮人を圧倒的な力で追い込む中、彼に柊家の不審な点を指摘し、グレンを大切にする旨を伝え、姿を消す。暮人は真昼の指摘から、父・天利と連絡を取り、彼から世界崩壊の計画は柊家が企てたものであり、真昼は百夜教との二重スパイで、クリスマスに死ぬことを伝えられる。 クリスマス当日、帝ノ鬼に追い込まれる中、グレンらは暮人の案内で真昼の元にたどり着く。グレンは再び彼女を救おうとするも、彼女に深夜・美十・五士・小百合・時雨を殺害され、また彼女自身もノ夜で自身の心臓を貫く。ノ夜と心臓を一体化させていく真昼からグレンは〈終わりのセラフ〉の正体と発動条件、彼女の定められた運命を耳にする。真昼がノ夜の中へ姿を消した後、グレンは〈終わりのセラフ〉を発動させるために深夜らを蘇生させようと動く。発動直前、その場に現れたフェリドに自身を殺すよう頼むが拒否されたことで〈終わりのセラフ〉を発動。それを引き金に、世界崩壊が始まった。
※この「小説のあらすじ」の解説は、「終わりのセラフ」の解説の一部です。
「小説のあらすじ」を含む「終わりのセラフ」の記事については、「終わりのセラフ」の概要を参照ください。
小説のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 12:05 UTC 版)
「人間になりたがった猫」の記事における「小説のあらすじ」の解説
人間の言葉が話せる猫ライオネルは、人間になるのが夢だった。ある日ライオネルは、魔法使いの主人ステファヌスに口答えをしてしまう。その「罰」として、ステファヌスはライオネルを2日間人間に変える。 それから、人間の街「ブライトフォード」で、数々の危機に見舞われながらも、ライオネルとその仲間は、「仲間」の必要性、重要性に気が付いていく。
※この「小説のあらすじ」の解説は、「人間になりたがった猫」の解説の一部です。
「小説のあらすじ」を含む「人間になりたがった猫」の記事については、「人間になりたがった猫」の概要を参照ください。
小説のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 14:13 UTC 版)
大酒飲みだが酔うことのない富豪の劉氏(芥川は劉大成のフルネームを与えている)のもとを僧が訪れ、劉は酒虫による奇病に罹っていると言う。劉が酒虫の退治を頼むと、僧は劉を縛り、顔の先に酒壺を置いた。しばらくすると劉は酒が飲みたくなってきたが、縛られているため動けずにいると、喉の奥から虫が飛び出し、酒壺に飛び込んだ。虫は3寸(清代の単位換算で約9.6センチメートル)ほどの赤い肉の塊で、魚のように泳いでいた(芥川は、口と眼があり、山椒魚のようだとしている)。 僧は謝礼を断り、代わりに虫を譲り受けた。甕の中に水と酒虫を入れて掻き混ぜると良い酒ができるのである。その後、劉は酒が大嫌いになったが、次第に痩せ衰え、また貧乏になった。 はたして酒虫は本当に病気の元だったのか。実は福の神だったのではないか(芥川は第3の考えとして、酒は劉の人生そのものであり、劉から酒を取り除くのは死なすも同然だという解釈を挙げている)。
※この「小説のあらすじ」の解説は、「酒虫」の解説の一部です。
「小説のあらすじ」を含む「酒虫」の記事については、「酒虫」の概要を参照ください。
小説のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 04:23 UTC 版)
昭和10年代の東京。名門私立病院である、志摩病院の院長で内科臨床医の志摩泰英(しま やすひで)が胃がんで1年間近く、鎌倉山の別荘に引っ込んでいた間に、病院経営は破綻の危機に瀕していた。一人息子泰彦は医者の免状をもちながら医者を好まず、子爵の娘で妻の三喜枝と本郷の邸宅に住み、競馬やゴルフの贅沢三昧、一家は火の車である。泰英は、病院の再建をかけて、以前学資を出してやり台湾の製薬会社の庶務課長になっている若き実業家日疋祐三(ひびき ゆうぞう)を呼び寄せて、病院経営と一家の立て直しの全てを託す。日疋は泰英にたいする恩義と、男として意気に感じて引き受ける。緻密な計画を立てておこなわれる突然の大胆な病院改革に、反発する医師たちと、派閥同士の対立でなかなか進まない改革。極度の緊縮に志摩夫婦との、心のすれ違い。日疋は、20歳そこそこの看護婦の石渡ぎん(いしわたり ぎん)を利用して、内通させ、複雑に入り組んだ病院の内情を把握しようと試みる。身寄りも無いぎんは日疋に淡い恋心を抱くが、一方の日疋は、院長の後妻とのあいだの令嬢、美しく聡明で気位の高い啓子(けいこ)に思慕の情を寄せていた。ぎんと啓子とは小学校から女学校2年まで同級であった。啓子はミシンの針が指に刺さり、父の病院に見てもらいに行き、治療した笹島医学士に恋されて、求婚される。両親も賛成し、啓子も異存は無いが、院長の病気が重くなり死亡したため、結婚を秋に延期するうちに、笹島に、有名な声楽家安達和子という愛人のいること、笹島に弄ばれて自殺した看護婦のいることがわかり、啓子は笹島を責め婚約を解消する。啓子に恋していた祐三は、病院の建て直しに自信をもって求婚する。母滝子は鎌倉山の別荘を整理して東京で質素な生活をおくっているが、祐三にたいする信頼と恩義からその結婚に賛成であるが、啓子は祐三の人間と実力に好意と愛情をいだきながら、ぎんの祐三にたいする恋をしっているうえに「自分にはどうしても棄てきれない世界があり、それはやっぱり大事にしなければならないと思う」と言い、祐三の求婚を拒む。祐三は、病院をやめて派出看護婦になっているぎんが自分に恋しているのを知り、「この女になら、なにかしてやれるという自信がもてる。自分には、そんな悦びが必要だ」と考え、婚約する。泰彦は質素な生活にたえられず、祐三が一家の財産を自由にしているという錯覚から、母滝子を訴えようとし、祐三のために首になった人々が祐三や滝子をいやがるビラをはるなどしたことから、彼女らは手に入れるべき財産をすべて泰彦に与えることを祐三に申し出て、東京を離れて静岡の近くの昔の雇人の離れを借りて隠棲する。祐三は自分の努力がむなしかったことを思うが、それに同意し、病院をやめて中国にでかけて新しい仕事をする決心をする。その間、ぎんを滝子へあずけて主婦教育を依頼する。啓子は新たな道に出て行く決心をする。
※この「小説のあらすじ」の解説は、「暖流 (小説)」の解説の一部です。
「小説のあらすじ」を含む「暖流 (小説)」の記事については、「暖流 (小説)」の概要を参照ください。
- 小説のあらすじのページへのリンク