対立遺伝子の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 13:31 UTC 版)
対立遺伝子の分類法はいくつか知られているが、いずれも、野生型遺伝子と比較したときの遺伝子活性の違いに着目したものである。最も古くから使われ、広く浸透しているものにMullerによる分類がある。Mullerは、ショウジョウバエを用いた遺伝学的解析の結果から、対立遺伝子を次のように分類した。 完全に遺伝子の活性を失った対立遺伝子であるアモルフ (amorph) 部分的に遺伝子活性を失ったハイポモルフ (hypomorph) 遺伝子活性が上昇したハイパーモルフ 野生型の機能を妨げるように働くアンチモルフ (antimorph) 新たな機能を獲得したネオモルフ (neomorph) この分類法は今でも遺伝学の多くの場面で使われている。対立遺伝子の分類は遺伝学位的解析による野生型遺伝子との比較にもとづくものであるが、これは個々の遺伝子に生じた変異の分類に他ならないことから、上記の名称はそのまま変異そのものの種類を表すときにも使われる。近年では、遺伝子産物の分子活性に着目した、機能欠失型対立遺伝子 (loss of function allele) あるいは機能獲得型対立遺伝子 (gain of function allele) という、より簡便な分類もよく使われる。これは本来は遺伝子産物に見られる変異(機能欠失型変異あるいは機能獲得型変異)についての記述であったものが、対立遺伝子の分類に応用されるようになったものである。
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