天野桃隣
天野桃隣
本名・天野勘兵衛。通称藤太夫。芭蕉の縁者だが関係は不明。『炭俵』で活躍した。許六を芭蕉に紹介したのは桃隣。彼は、芭蕉没後元禄9年になって師の『奥の細道』の後をたどり、『陸奥衛』を著した。「寒からぬ露や牡丹の花の蜜」は、桃隣の新居祝いに芭蕉が贈った句。
桃隣の代表作
うぐひすの聲に起行雀かな(『炭俵』)
昼舟に乗るやふしみの桃の花(『炭俵』)
五日迄水すみかねるあやめかな(『炭俵』)
五月雨の色やよど川大和川(『炭俵』)
宮城野の萩や夏より秋の花(『炭俵』)
紺菊も色に呼出す九日かな(『炭俵』)
市中や木の葉も落ずふじ颪(『炭俵』)
木枯の根にすがり付檜皮かな(『炭俵』)
白桃やしづくも落ず水の色(『續猿蓑』)
菊の気味ふかき境や藪の中(『續猿蓑』)
天野桃隣
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