サティ:「天国の英雄的な門」への前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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サティ:「天国の英雄的な門」への前奏曲 | Prelude de la porte heroique du ciel | 作曲年: 1894年 出版年: 1912年 初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle |
作品解説
19世紀末、悪魔主義の作家であったジュール・ボワの戯曲のために作曲された。
サティ自身、秘教的神秘主義時代にあり、ジュール・ボワの悪魔主義の深い影響のもとに作曲されたのが、このピアノ曲である。『異教徒的なドラマ』と副題がつけられている。そして自ら、「この作品をエリック・サティに捧げる」と添えている。曲中に表れる演奏者への指示は「迷信的に」「誠心誠意音を立てずに」「うぬぼれずに」など、精神的、抽象的な言葉で書かれている。
作品は無調性、無小節、無拍子で終止線も無い。四度や五度、六度や七度の和音のつながりで構成されるコラール風である。宗教的なオルガンをイメージしているようだ。四分音符と八分音符だけで構成されていて、絶え間なく流れ続いていくが後半に“幕“を意味する言葉がそえられているがすぐに、再び前の流れが始まる。この曲に終わりはないようだ。
なお、この曲は1912年、ローラン・マニュエルがオーケストラ編曲を行った。
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