【士気】(しき)
軍隊を初めとする集団(およびそれに属する各個人)が、困難や危険に対して効率的に対処する能力。
定義はあまり明確でないが、一般的には以下の要素を尺度とする。
当然の事ながら、状況解決が困難であればあるほど士気は落ちる。
特に軍隊はその性質上極めて絶望的な状況が想定されるため、士気の高低は死活問題である。
作業を最大限に効率化する事と、士気を最大限に維持する事はふつう両立しない。
士気を維持するためには作業効率を多少なりとも落とさなければならないし、士気の維持を最優先事項として設定すると、その意志決定はどうしても「不健全」なものになる。
汚職、サボタージュ、机上の空論、洗脳、理不尽な行動方針、暴虐行為などは全て士気が低下しているサインだが、それらの行為も全て(各々が自分自身の、元々あまり高くもない)士気を維持するために行われているとも言える。
このため、集団の責任者は長期的目的を破綻させず、士気も崩壊しないように注意深く物事のバランスを取る必要がある。
そしてこの舵取りは、組織が巨大であればあるほど困難になる傾向にある。
士気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 06:42 UTC 版)
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士気(しき、英: morale)は、一般に部隊の任務を遂行する上で有用な兵員の心理的な積極性や耐久性を指す。
その他、軍事関係以外にも集団・組織行動全般での関係者の行動意欲に関わる、心理的高揚のバロメーターを表す。
軍事における士気
戦闘部隊が発揮する戦闘力には兵員数や装備などの物質的要素だけではなく、団結や錬度などの心理的要素が関わっていることが分かっている。士気とは戦闘力を構成する心理的要素の一つであり、心理学的には集団態度として理解することができる。つまり戦闘に対する集団の中で形成され、保持されている態度であり、軍事教育や訓練やリーダーシップによって強化することが可能である。シブタニの研究では士気の水準が高い部隊では構成員が所属する部隊を誇りとし、部隊の評判に対して強い反応を示し、部隊の象徴を提示することに大きな喜びを覚えることが報告されている。
士気を左右する要因として部隊を組織している個々人の生理学的、心理的な状態や性質が士気に影響を与えることが報告されている。マニングは暖かい食事や入浴、睡眠などの健康増進のための措置の重要性を指摘している。またストーファーは太平洋戦線の兵士に対する調査を行い、相対的剥奪の概念を導入しながら、過酷な環境においても当初期待していたよりも多くの物質的な快適さや満足を兵員に提供することで士気が急速に高揚することと、覚悟していたよりも多くの不愉快さや不満がもたらされた時に士気が低下するという因果関係を考察した。また世界大戦後のベトナム戦争や研究から士気を決定づける重要な要素として明確な目標を認識することの重要性が報告されている。
致命的な危機に直面しても、先天性、使命感、責任感、知的な意志などによって恐怖を抑える勇気も士気の維持増進に直結する。集団に対する帰属意識も士気に大きく貢献する。具体的には集団への忠誠心、自身が負傷した時に仲間が助けてくれるという信頼、優秀な集団への誇り、自身の功績を認定してくれるという励み、などが集団同一視を生み出し、自己無力感を解消する。逆に士気が低下すると、兵士の自発的な判断による効率的な戦闘が期待しづらくなり戦力は低下、抗命や戦争神経症が多発する。「士気崩壊」と呼ばれる状態に陥ると士気の低下が部隊全体に伝染し組織的な戦闘が困難になる。撤退はしばしば敗走に変わり、脱走が相次いで部隊が霧散消失する。
参考文献
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- George, A. L. 1971. Primary groups, organization, and military performance. in Handbook of military institutions, ed. R. W. Little, pp. 293-318. Beverly Hills, Calif.: Sage.
- Glass, A. J. 1973. Lessons learned. in Neuropsychiatry in World War Ⅱ, zone of the interior, ed. R. L. Bernucci and A. J. Glass, pp. 735-59. Washington, D.C.: Office of the Surgeon General, Department of the Army.
- Holmes, R. 1985. Acts of war. New York: Free Press.
- Kellett, N. A. 1982. Combat motivation. Boston: Kluwer Nijhoff.
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- Stouffer, S. A., A. A. Lumsdaine, M. H. Lumsdaine, R. M. Williams, M. B. Smith, I. L. Janis, S. A. Star. and L. S. cottrell. 1949. The American soldier. Princeton, N.J.: Princeton Univ. Press.
関連項目
士気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/11 14:57 UTC 版)
『第3次α』から登場。コマンド使用後の次の小隊攻撃が全てクリティカルとなる。
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士気
「士気」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女の士気を高める
- 試合に何回も負けて士気が落ちている
- 士気を高揚する
- 彼は人の士気を高めるような演説をした
- その勝利はわがチームの士気を非常に高めた
- 軍団兵の士気をあげる
- でも、それで士気が下がっては本末転倒ではないかと。
- 兵士たちはその歌に士気を鼓舞された。
- 観客側から相手チームをわらってやることは、その士気をくじくことになろう。
- それで彼らの士気は高まるだろう.
- 士気は高い[低い, 低下している].
- 紳士気取りの人, えせ紳士.
- 連敗してチームの士気はまったく衰えてしまった.
- うちの会社の士気は衰えてきています.
- 初戦の勝利で選手たちの士気は高揚した.
- 士気を鼓舞するのにはそれが一番だ.
- 社長は社員の士気を鼓舞するために一席ぶった.
- 士気大いに振るう
- あの人は武士気どりだ
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