地球環境と紫外線の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 01:39 UTC 版)
1970年代以降、極圏上空のオゾン層の減少により、とくに南極上空においてオゾンホールが発生するようになり、南半球南部、とくにオーストラリアやニュージーランドなどにおいて紫外線量が急増した。オゾンホールは1985年ごろに発見され、1990年代半ばまでは急速に広がったものの、それ以降は1987年のモントリオール議定書によるフロンガスの国際的な生産・使用規制などによってオゾン層の破壊のスピードが弱まり、規模の拡大はほぼ止まった。しかし一度拡大したオゾンホールの規模は縮小することはなく、2010年代に入っても大規模なまま推移しており、紫外線量も上記地域において増加したままである。また、日本などの中緯度地帯においても、つくば市や札幌市付近のデータでは、1990年代以降紫外線は緩やかにではあるが増加傾向を示している。 こうした紫外線の増加とそれによる被害の増加を受けて、世界保健機関 (WHO)などが紫外線の強さをいくつかの段階によって表したUV指数を開発し、それに基づいて日本では気象庁は防災情報のひとつとして紫外線情報を発出し、市民に注意喚起を行っている。
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