固定相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 23:27 UTC 版)
「ガスクロマトグラフィー」の記事における「固定相」の解説
物質の保持時間は主に固定相の極性による。高極性の固定相は高極性の物質と親和性が高いため、高極性の物質の保持時間が長くなる。そのため固定相の異なるカラムを使用すれば、あるカラムで分離できなかった物質を分離できる可能性がある。 キャピラリーカラムにおいては主に以下の4種類の固定相が使用される。 無極性:ポリジメチルシロキサン 低極性:ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン 2種の混合率によってさまざまな無極性~低極性のカラムが作られる 中極性:ポリメチルシアノアルキルシロキサン 高極性:ポリエチレングリコール また、光学活性体の分離用には上記の無極性~中極性の固定相にシクロデキストリン誘導体を混和したものが使用される。 パックドカラムにおいてはこれらの他にシリカゲルや活性炭、ゼオライトや活性アルミナなどの吸着力を持つ固体、スクワランやジ-2-エチルヘキシルフタレートなどを担体に吸着させたものが固定相として使用される。 なお、それぞれの固定相ごとに使用上限温度が存在し、これを越えてしまうと固定相の溶出や分解が起こりカラムの寿命を縮めることになる。またキャピラリーカラムは保護のためにポリイミド樹脂で外側がコーティングされているが、300℃以上で使用するとこれが炭化しはじめ、脆くなって破損しやすくなるので取り扱いに注意が必要となる。
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